法人カードは会社設立直後でも申し込める?カードを作るメリットも解説
法人カードは会社設立直後でも申し込める?カードを作るメリットも解説
2024/11/28
2024/11/28
中小企業の経営者や社員、個人事業主が、ビジネスの支払いに活用できる「法人カード(ビジネス・カード)」。会社設立直後、また、個人事業主やフリーランスとして独立・起業した直後でも申し込みが可能なのでしょうか。
この記事では、法人カードを申し込めるタイミングのほか、カードを活用するメリット、株式会社設立の方法について、詳しく解説します。
会社設立直後でも、法人カード(ビジネス・カード)は申し込める
会社設立直後でも、法人カード(ビジネス・カード)は申し込める
事業の支払いや経費管理などの業務に一役買ってくれるのが、「法人カード」です。法人カードはキャッシュフローの改善などにも役立つため、会社設立、独立・起業直後から活用したいカードと言えるでしょう。法人カードの場合、カード会社により、創業・事業歴などの審査が発生する場合もありますが、近年では、会社設立直後、独立・起業直後でも申し込み可能な法人カードも増えています。
アメリカン・エキスプレス(アメックス)も法人カードを発行しており、名称は「ビジネス・カード」です。アメックスのビジネス・カードは、会社設立の初年度でも申し込めるカードの先駆け的存在であり、ビジネスの効率化や飛躍をサポートする付帯サービスが充実しているのも大きな特長です。
アメックスの法人カード(ビジネス・カード)の申し込み方法
アメックスの法人カード(ビジネス・カード)の申し込み方法
アメックスのビジネス・カード申し込みは、公式ウェブサイト上からオンラインで行うことができます。
法人・個人事業主で、申し込みに必要な書類が異なるため、それぞれ必要な書類を紹介します。
・法人の場合
法人がアメックスのビジネス・カードを申し込む際には、以下の書類が必要です。
- 代表者の本人確認書類
- 商業登記簿謄本・登記事項証明書のいずれか
代表者の本人確認書類のコピーの提出が必要になります。本人確認書類として認められるのは、以下の書類。コピーを提出します。
【本人確認書類一覧】
- 運転免許証
- 運転経歴証明書
- 各種健康保険証
- 住民票の写し
- マイナンバーカード(個人番号カード)(表面のみ)
- 在留カード
- 特別永住者証明書
加えて、商業登記簿謄本または登記事項証明書のいずれかを提出する必要があります。オンライン、または、住んでいる地域管轄の法務局で入手するようにしましょう。これらの書類は、法人の実在性を確認するために用いられます。
・個人事業主の場合;
個人事業主がアメックスのビジネス・カードを申し込む際には、以下の書類が必要です。
- 代表者の本人確認書類
法人・個人事業主ともに、申し込み後アメリカン・エキスプレスによる入会審査が行われます。
ビジネス・カードの申し込みから受け取りまでは、法人で5週間程度、個人事業主で3週間程度かかります。余裕を持って申し込みを行うようにしましょう。
参考:アメリカン・エキスプレス「ビジネス・カード」
法人カード(ビジネス・カード)を作るメリットと注意点
法人カード(ビジネス・カード)を作るメリットと注意点
法人カードのメリットを最大限に活用するには、できるだけ早い段階で申し込むのがおすすめです。法人カードを会社設立直後、独立・起業直後に作ることで得られるメリットと注意点を解説します。
1)キャッシュフロー改善に期待できる
仕入れなどで法人カードを利用した場合、支払い先が数社にわたったとしても、実際に支払いを行う日は、クレジットカードの支払日のみです。カードを利用した支払いは、即日キャッシュアウトせず、カード会社への支払い日に集約されます。そのため、カードを利用した日から実際の支払日(カードの支払日)までの猶予が生まれ、資金繰りの調整もしやすくなります。
万が一、資金がショートしそうな場合も、支払いまでの猶予期間で対策を講じることができます。借り入れる必要がなくなれば、返済利息などの不要な出費を回避できるでしょう。
2)従業員用の追加カードが発行でき、コストの一元管理ができる
従業員用の追加カードを発行すれば、コストの一元管理が可能になります。また、経理業務の軽減にも貢献してくれるメリットも。
法人カードの利用明細には、いつ、どこで利用したかも記載されます。従業員用の追加カードの利用状況もオンライン上で随時確認できるので、不正な支出や私的流用のリスクを抑えられるでしょう。
3)さまざまな「効率化」や「削減」を実現できる
経費処理の効率化は、法人カードの大きな利点です。たとえば、カード利用情報を会計ソフトと連携させることで、経費の仕訳が自動化できるなど、経費処理業務の削減に貢献。従業員用の追加カードを利用すれば、従業員の経費精算の手間も省け、振込手数料の削減が叶います。
4)事業向けの付帯サービスを利用できる
法人カードには、ビジネスの可能性を広げるさまざまな付帯サービスがあります。活用することで、より効率的にビジネスの拡大を図れます。
5)プライベートと事業の支出を明確に区別できる
個人事業主の場合、事業用の法人カードを利用すれば、事業での支出とプライベートの支出を明確に分離することができます。毎月の経理業務に加え、確定申告や財務諸表の作成を行う際の手間を削減できるでしょう。
▼法人カードと個人カードの違いはこちらの記事で解説しています
法人カード(ビジネス・カード)とは?個人カードとの違いやメリットを解説
▼個人事業主がクレジットカードを選ぶポイントはこちらの記事で解説しています
個人事業主がビジネス・カードを作るメリットやクレカを選ぶポイントを解説
・法人カードを利用する際の注意点
法人カードの利用可能額は、カード会社やカードの種類、会社状況などによって異なります。もし想定とギャップがある場合は、以下のような対応も検討しましょう。
・一時的な利用可能額の引き上げ
・恒常的な利用可能額の引き上げ
たとえば、オフィス移転時や大型設備投資、季節的な仕入れ増加時など、一時的に利用可能額を増やしたいのか、もしくは恒常的に利用可能額を引き上げたいのか、カード会社に連絡してみましょう。支払い能力に問題がないと認められれば、利用可能額の調整が可能な場合もあります。
参考:アメリカン・エキスプレス「ご利用可能枠/ご利用可能金額」
アメックスの法人カード(ビジネス・カード)を作るメリット
アメックスの法人カード(ビジネス・カード)を作るメリット
次に、アメックスのビジネス・カードを活用することで得られる具体的なメリットを、6つのポイントに絞って紹介します。
1.会社設立、独立・起業の直後でも申し込み可能
前述した通り、法人だけでなく、クリニックや農家、フリーランスなどの個人事業主でも、会社設立、独立・起業後すぐにビジネス・カードの申し込みが可能です。
ただし、法人としてカードを申し込む場合は、その法人が本当に存在するかどうかを証明するための書類(登記簿謄本か印鑑証明書)も必要になります。
2.柔軟な支払い方法を選択できる
アメリカン・エキスプレスのビジネス・カードは、カードの利用後、「ペイフレックス® for Business」を利用することで、「あと分割」や「あとリボ」に支払い方法を変更できます。そのため、新規事業に向けた先行投資が必要、突発的な出費が発生したという場合も、手元資金残高を加味して、支払い方法を柔軟に選ぶことが可能です。税金の支払いにも対応しているため、資金繰りを調整したい場合など、キャッシュフローの安定にも大いに役立ってくれるでしょう。
支払い方法の変更はオンラインで手軽に行え、必要な時にすぐ利用できるのもメリットです。
参考:アメリカン・エキスプレス「ビジネスで選べる支払い方法」
3.利用金額に応じたポイント獲得
アメリカン・エキスプレスのビジネス・カードでは、利用金額に応じてポイントを獲得でき、貯まったポイントの使い道も豊富です。たとえば、事業で利用する備品の購入や懇親会などで提供する賞品への交換のほか、年会費やカード請求金額の支払いにも充てられます。
獲得できるポイントは支払い額100円ごとに1ポイント(年会費などの特定の利用に関しては、加算対象外、または200円の利用で1ポイントとなる場合もあります)。1,000円以下の端数についてもポイントを獲得できるため、効率的にポイントを貯めることができるでしょう。
参考:アメリカン・エキスプレス「ポイントプログラムの仕組み」
参考:アメリカン・エキスプレス「ポイント加算対象外/200円=1ポイントのご利用」
▼法人カードのポイント利用については、こちらの記事でも解説しています
4 .ビジネスを拡大させるサポート
アメリカン・エキスプレスは、ビジネス・カード加入者を対象にしたビジネス・マッチングイベントなど、加入者のビジネス拡大に向けたサポートが充実しています。また、補助金・助成金検索サービスを利用できる特典もあります。
このようなサービスや特典を活用すれば、普段は交流のない業界経営者とのコネクションを確立できる、新規事業の開拓や協業パートナーを得る、自社のPRに役立てる、更なる事業拡大に向けた助成を受けるなど、新たなビジネスチャンスも広がります。
参考:アメリカン・エキスプレス「ビジネス・マッチング」
5.仕入れにもキャンペーン特典を活用できる
ビジネス・カードは、仕入れに利用することも一般的です。アメリカン・エキスプレスは、医療、飲食、建設といった各種業種に特化した仕入れ先と提携しています。対象加盟店でのカード利用でボーナスポイントを獲得できるキャンペーンなどもあるため、上手に利用することで、お得に仕入れを行うことができます。
参考:アメリカン・エキスプレス「B2B決済deポイント」
参考:アメリカン・エキスプレス「仕入れ関連をサポートする法人向け加盟店のご案内」
6.ビジネスツールの優待や特典
アメリカン・エキスプレスのビジネス・カード加入者は、各種ビジネスツールを優待価格で利用できます。
たとえばアメリカン・エキスプレス®・ビジネス・ゴールド・カードの場合、パソコンなどの購入時にキャッシュバックを受けられる「デル・テクノロジーズ 優待特典」、新規アカウント作成から180日間は、所定の売上にかかる決済手数料が無料になるキャッシュレス決済システム「Square(スクエア)」の優待、インターネット広告の新規契約で広告料金の優待が受けられるなど、さまざまなニーズに応じた優待を利用できます。
参考:アメリカン・エキスプレス「キャッシュレス決済システム「Square(スクエア)」
参考:アメリカン・エキスプレス「アメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード」
会社設立から開業までの流れ
会社設立から開業までの流れ
法人は「営利法人」「非営利法人」に大別され、起業する場合は一般的に「営利法人」になります。営利法人に分類されるのは、「株式会社」「合同会社」「合名会社」「合資会社」です。
営利法人の場合、法人カードの取得は会社設立後に行います。会社設立から開業までには、以下のようなステップがあります。
1.会社概要の決定
最初に、会社の基本的な情報を定めます。
- 社名
- 設立日
- 所在地
- 資本金
- 事業目的
- 決算月
- 発行株式数・株主構成
社名(商号)には、「-」「:」などの記号は使用できません。また、特定の団体や企業を想起させたり、類似社名がないかも確認しておきましょう。オンラインで商号調査ができるサイトもあります。
参考:法務省「オンライン登記情報検索サービスを利用した商号調査について」
2.法人用実印の作成
公式な契約や重要な書類に使用する印鑑である、実印を作ります。印鑑の大きさなどには規定があるので、法務局の指定に従って作成しましょう。登記をオンラインで行う場合は、印鑑は不要です。
参考:法務局「印鑑(改印)届書」
3.定款の作成と認証
株式会社の場合は、定款を作成し、認証を受けます。定款は会社の基本的なルールを定めた文書で、主に以下のような項目を定めます。
- 商号(社名)
- 所在地
- 事業目的
- 機関設計
- 設立時に出資される資産の価値・価額
- 株式に関する事項など
- 発起人の氏名・住所
参考:日本公証人連合会「スタートアップ支援のため、定款認証に関する新たな取組を開始します。」
4.資本金の振込
資本金を振り込みます。
5.登記申請
必要な書類を作成し、法務局に登記申請を行います。受理されることで、会社が正式に法人として認められます。
参考:法務局「商業・法人登記申請手続」
6.各種届出
最後に、税務署や自治体、年金事務所などに必要な届出を行います。
▼司法書士と行政書士の違いについてはこちらの記事で解説しています
株式会社設立のメリットや注意点
株式会社設立のメリットや注意点
営利法人を設立するにあたり、どのようなメリットや注意点があるのでしょうか。営利法人の代表格とも言える、「株式会社」を例に紹介します。
【メリット】
・社会的信用を得やすい
株式会社は、他の会社形態と比較して社会的信用度が高く、取引先や金融機関からの信用を得やすいと言われています。
・有限責任になる
個人事業主の場合、仮に負債が発生した場合、全て対処する必要があります(無限責任)。しかし株式会社は、会社の債務に対して、株主の個人財産が保護されるメリットがあります。
・決算月を設定できる
会社の事業年度の最終月となる決算月を、自由に設定できます。業界の特性や繁忙期に合わせて決算月を設定することで、資金繰りの最適化や、事業・財務計画の見通しの立てやすさなどにつながります。
【注意点】
・設立時だけでなく恒常的に費用が発生する
設立時には、登記費用や定款作成費用など、さまざまな初期費用が必要となります。
さらに、会社を維持するための継続的な費用も必要。これらのコストも考慮に入れて、長期的な資金計画を立てることが重要です。
・従業員を雇うと、社会保険料の一部を支払う必要がある
従業員を雇用する場合、社会保険料の事業主負担分を支払う必要があります。経営コストの一部として考慮しておく必要があるでしょう。他にも、従業員の福利厚生の拡充や労務管理なども行う必要があります。
・赤字でも法人税が発生する
法人の場合、利益が出ていなくても法人税を納付する必要があります。これは個人事業主との大きな違いの一つです。
・廃業にも費用がかかる
個人事業主と違い、会社を解散する場合も、清算手続きなどの費用が発生します。
▼個人事業と法人の違いについてはこちらの記事でも解説しています
会社設立には、定款の作成、設立登記の申請など、複数の専門的な手続きが必要となります。これらの手続きには法律や会計の知識が求められることが多く、特に注意が必要です。
手続きの漏れや誤りを防ぎ、スムーズな会社設立が可能になるよう、必要に応じて司法書士や税理士などの専門家に相談しましょう。
アメックスのビジネス・カードが法人におすすめの理由
アメックスのビジネス・カードが法人におすすめの理由
法人は、個人の支出とビジネスの支出を明確に分けることで、確定申告の負担を軽減することができます。そこで、ビジネスでの決済にはビジネス・カードの使用をおすすめします。
ビジネス・カードも、個人カードと同様、カードにより付帯する優待や特典が異なります。そのため、事業課題に合うビジネス・カードを選ぶことが大切。法人におすすめのビジネス・カードとして、アメリカン・エキスプレスが発行する3種類のカードを紹介します。
アメリカン・エキスプレス®・
ビジネス・ プラチナ・カード
万が一のサイバー攻撃や情報漏えいなどのリスクに備えることができる「ビジネス・サイバー・プロテクション」や、秘書のように出張や会食の手続きを電話1本で対応してもらえる「プラチナ・セクレタリー・サービス」、カード継続時に得られるラグジュアリーな国内ホテルで利用できる1泊2名分の無料宿泊特典「フリー・ステイ・ギフト」など、多角的なサポートがアメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カードの魅力です。
アメリカン・エキスプレス®・
ビジネス・ ゴールド・カード
経費削減に一役買う特典が充実しているアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード。例えば、デル・テクノロジーズでのパソコンや周辺機器の購入でキャッシュバックが得られる特典をはじめ、キャッシュレス決済導入に役立つ「Square(スクエア)」 の決済手数料/月額使用料の優遇など、ビジネスの飛躍を力強くサポートするサービスが備わっています。
アメリカン・エキスプレス®・
ビジネス・グリーン・カード
会計ソフトへのAPIデータ連携や利用料の優遇、車での移動に欠かせないETCカードの無料発行など、本業に集中するための基本機能が揃っているアメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カード。ビジネス・カード会員限定のマッチングサービス「ビジネス・マッチング」にも登録可能。定期的に開催されるマッチングイベントは、新規取引先やパートナーの発掘、自社PRにも活用できます。
この機会に、豊富な特典が備わったアメリカン・エキスプレスのビジネス・カードにお申し込みください。
【この記事の監修者】
【この記事の監修者】
相澤 英之
NTS総合税理士法人
代表社員
税理士