弊社スタッフの知人の紹介で、「アメリカン・エキスプレスの加盟店にならないか」というご提案をいただきました。まずは純粋に良さそうだと思いましたね。一番期待したのは、入金確認業務の効率化です。通常、お客様からの入金遅れがあった場合には、営業担当がお客様に督促業務を行わねばならず、営業担当の負担になっていました。カード決済であれば、業務効率が上がる上に、入金に対する不安がない。そこがとても良いと思いました。督促というのは、業務量以上に、精神的な負担にもなりますからね。

カード支払い手数料分の利益が減ることは懸念点でしたが、そこを差し引いても業務コストが下がるので良いのかなと決めました。さらには、アメリカン・エキスプレスの営業担当が「新規顧客が増えるので、トータルで利益は上がるはずだ」と、本社に説明に行くサポートまでしてくれたんです。その甲斐あって、導入まではとてもスムーズでした。導入してみて、社内の営業や経理のチームから非常に好評です。

もっとも感じているのは、新規顧客の開拓です。アメリカン・エキスプレスに紹介してもらった顧客で、現状動いているものは100社以上。カード利用は弊社の案件全体の3分の1を占めるほどになっています。

ただ加盟店になって待っていても新規顧客獲得には至らないと思ったので、参画直後に、アメリカン・エキスプレスの営業担当の方向けに、全国で小林洋行コミュニケーションズの商品に関するレクチャーをさせていただきました。ですが、当社の提供するサービスは、顧客ニーズに合わせてカスタマイズすることが多く、いくら説明をしても、弊社のサービスを100％理解していただくのは難しいのが実情です。

そこで、アメリカン・エキスプレス用に、「SEOコンテンツパック」という、商品を作りました。SEOコンテンツ作成は、ニーズが高く分かりやすいのでいわば売りやすい商品。アメリカン・エキスプレス経由でまずは顧客接点を作り、営業機会をいただくことで、新規獲得がここまでの結果に至ったと思っています。

アメリカン・エキスプレス経由のお客様は、とても優良なお客様ばかりだと感じています。加盟店になって3年ですが、ご紹介案件は全社契約が継続しているんです。毎月10～20件程度アメリカン・エキスプレスからご紹介がありますが、どれも非常にありがたい出会いとなっています。

これまでは、取引額が大きい新規顧客の場合、契約前に信用調査をしていました。ですが、アメリカン・エキスプレスのカードを所有しているということは、アメリカン・エキスプレス基準の信用調査をクリアしているということ。ですから、当社で信用調査をする必要もなくなりました。これも、入金確認の負担減と同様に業務効率のUPに繋がっていると思います。

神社仏閣を紹介されたときは、弊社ではお取引の無いジャンルだったので、とても驚きました。実際に、福岡にある大本山成田山久留米分院に、ウェブサイトのリニューアルとキャッシュレス決済を導入できたことは、メディアでも話題になり大きな反響がありました。神社仏閣はデジタルから掛け離れた世界であり、通信環境の整備からのスタートになります。一筋縄ではいかないことだらけでした。成田山を訪れる方がとても驚き喜んでくださっていると聞き、とても嬉しく思っています。

ご紹介いただく会社の規模は大小さまざまですが、アメリカン・エキスプレスに対する信頼が厚いお客様ばかりなので、商談はとてもスムーズです。知人の紹介くらいの安心感がありますね。ときには無茶ぶりもありますが（笑）、自社では想像もつかない企業をご紹介してくれることもあるので、当社の事業の幅が広がりました。

意外に感じるかも知れませんが、実は、カード払いができる広告会社ってほとんどないんです。Web広告に限らずテレビCMなど通常代理店を通して広告を発注する場合に、広告代理店への支払いは基本は現金払いとなります。

Google、Yahoo!のような大手検索サイトの広告自体はカード払いが可能なのですが、広告用アカウントは代理店のアカウントを使用するため、お客様が代理店に現金で支払い、代理店がカードで決済するという流れになります。お客様の自社アカウントを作ることは、運用ノウハウの流出にもなりますし、解約率も上がる。そのため、やむを得ない業界慣習であるともいえます。

ですがそこを当社では、運用手数料と実際の広告費を明確にし、広告費に関してはお客様のアカウントを作って広告を運用する方法をとっています。個々のアカウントを作成することで、広告費のカード払いが実現しました。業界の健全性を守るため、ブラックボックスはなるべくなくそうと考えているんです。その点をお客様に大変評価していただいています。また、カード使用の場合、支払いまでの期間が延びるのでキャッシュフロー的にも助かっているというお声をいただいています。

さらには、カード決済によるスピード感も喜んでいただいていますね。例えば急ぎで広告を出したいとなった場合でも、銀行振込だと反映に4営業日程度かかり、出稿できるのに少なくとも4〜5日かかってしまいます。

ですが、カード決済だと24時間リアルタイムでアカウントに入金が反映されます。そのため、出稿もすぐにできるようになります。例えば、キャンペーン広告など突発的に動く案件があった際に、4日の差は非常に大きい。これは、アメリカン・エキスプレスの加盟店になったことで得られた、当社独自の強みです。

加盟店に参画する際にアメリカン・エキスプレスの営業担当が「手数料分の収益が減ってもその分以上に送客する」と言っていた言葉は本当でした。実際にアメリカン・エキスプレス経由の新規顧客から、年間数億単位でプラスが生じています。これは正直、期待以上の効果でしたね。

新しいお客様との出会いは、当社の可能性を広げてくれます。アメリカン・エキスプレスの加盟店になって得られた効果は、単に売上という数字だけでは表現しきれないことも数多くあると感じますね。

弊社はウェブ広告事業がメインではありますが、お客様からのご要望もありテレビCMの取り扱いも始めております。そのためCMの広告費についてもカード決済が可能です。今後も、数々のお客様に出会い、そして寄り添っていくことで、お客様のウェブや広告にまつわる課題解決に貢献していきたいと思っています。

編集：井澤梓／カタル

「加盟したことはメリットだらけだった」と語る小林洋行コミュニケーションズのWEBコンサルティング事業部次長金子嘉晃様に、これまでの経緯と、効果が出せた秘訣についてお話をお伺いしました。