【目次】
ロイヤリティ(Loyalty)とは
各分野におけるロイヤリティ
従業員ロイヤリティを高めるメリット
従業員ロイヤリティを高める方法
顧客ロイヤリティ、ブランドロイヤリティを高めるメリット
顧客ロイヤリティ、ブランドロイヤリティを高める方法
ロイヤリティのまとめ
ロイヤリティ(Loyalty)とは
日本語で「ロイヤリティ」と表記される英語の言葉は2つあります。「Loyalty」と「Royalty」です。「Loyalty」は、「忠誠心」や「忠実」という意味で、ビジネスにおいては、企業やブランド、商品、サービスに対する愛着や忠誠といった意味で使われます。例えば、従業員が自社への忠誠度を示す従業員ロイヤリティなどがあります。
一方で、「Royalty」はライセンス料や著作権使用料など、「著作権」「特許」「商標」などを利用する際に、権利所有者に使用する側が支払う対価を指します。ロイヤリティ収入やロイヤリティフリー、ロイヤリティ契約などが、「Royalty」にあたります。
ロイヤリティとロイヤルティの違い
「Loyalty」および「Royalty」ともに、日本語表記にすると「ロイヤリティ」もしくは「ロイヤルティ」となり、どちらも正しいといえます。使われる文脈によって意味を正しくとらえる必要があるでしょう。
各分野におけるロイヤリティ
ロイヤリティという言葉は、さまざまな分野で異なる意味として用いられます。従業員ロイヤリティ、顧客ロイヤリティ、ブランドロイヤリティの3例を紹介します。
従業員ロイヤリティ
従業員ロイヤリティとは、従業員の自社に対する忠誠心、愛着を意味します。自社に対して帰属意識が強く、忠誠心の高い従業員を「ロイヤリティが高い」と表現します。従業員ロイヤリティが高い従業員は、離職率が低く、高いモチベーションを保ったまま業務に取り組む傾向にあると考えられています。組織全体の従業員ロイヤリティが高まれば、組織力の強化や業務効率化につながるでしょう。
顧客ロイヤリティ
顧客ロイヤリティとは、顧客が企業やブランドの商品、サービスに対して抱く信頼や愛着心を意味します。顧客ロイヤリティが高い顧客は商品やサービスのリピーターになると考えられています。積極的なアップセルやクロスセルなども期待でき、SNSや口コミなどを通して、自社の商品やサービスを広める役割も果たしてくれるでしょう。
ブランドロイヤリティ
ブランドロイヤリティとは、特定のブランドに対して抱く信頼や愛着、選好度を意味します。言い換えると、顧客が継続してそのブランドに対しどの程度愛着があり購入してくれるのかを指します。ブランドロイヤリティが高い顧客は、同じサービス・商品を提供しているブランドが他にあっても、「このブランドだから」という理由から継続的に顧客でいてくれるでしょう。
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従業員ロイヤリティを高めるメリット
従業員ロイヤリティが高い場合に得られるメリットを3つ紹介します。
離職率の低下
従業員ロイヤリティの向上は、離職率の低下につながります。職場に対する満足度が高くなり、帰属意識が強まるためです。
従業員ロイヤリティが高まれば、優秀な人材を自社に定着させることができ、効果的なリファラル採用や長期的な人材育成計画の立案にも役立つでしょう。厚生労働省(外部サイトに移動します)が公表している通り、就職後3年以内の離職率は、新規高卒就職者で37.0%、新規大学卒就職者で32.3%と低くありません。新卒就職者の従業員ロイヤリティを高めることも非常に重要だといえるでしょう。
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従業員のモチベーション向上
従業員ロイヤリティは従業員のモチベーション向上にも寄与します。忠誠心のある従業員は、自分が働く組織に対して強いつながりと責任感を感じるため、仕事への取り組み方が積極的になるためです。
多くの従業員が自発的に会社のために行動するようになれば、組織に活気が生まれるでしょう。活気のある組織は活発に意見を交わすことができ、新しいアイデアや新規事業の創出に役立ちます。
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組織力の強化や業務効率化
従業員ロイヤリティが高まると、組織力の強化や業務効率化も期待できます。忠誠心の高い従業員は組織のビジョンに深く共感し、目標達成のために積極的に協力します。チームワークが促進され、従業員間のコミュニケーションがスムーズになるため組織力が高まり、効率的なプロジェクトの進行や問題解決につながるでしょう。
また、従業員ロイヤリティが高い場合、労働環境の改善に関するフィードバックやアイデアなどが従業員から提案されやすくなり、ハード面でもソフト面でも組織全体の業務効率化が期待できるでしょう。
従業員ロイヤリティを高める方法
従業員ロイヤリティを高める方法は多々ありますが、企業理念やビジョン、ミッション、パーパスを共有することも、1つの方法です。従業員が企業の価値観や目標に共感し、自身の仕事が価値のあるものであると感じることが重要でしょう。
また、公平で透明性のある人事評価制度を整備することも効果的です。従業員が自身の成果や努力が適切に評価される環境で働けるような制度を整えましょう。評価制度を整えるだけでなく、成長を支援することも大切です。1on1ミーティングなどの導入も有効な方法です。
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顧客ロイヤリティ、ブランドロイヤリティを高めるメリット
顧客ロイヤリティとブランドロイヤリティの違いは対象です。顧客ロイヤリティは対象が特定の企業となるのに対し、ブランドロイヤリティは対象が特定のブランドとなります。対象となるものが違うものの、ロイヤリティが高い場合に得られるメリットは共通しています。メリットを4つ紹介します。
顧客単価の上昇
ブランドロイヤリティは価格以上に購買意思決定を左右することがあります。ブランドロイヤリティが高いと競合に合わせて価格を調整する必要がなくなるでしょう。また、顧客ロイヤリティが高いと、購入頻度が増加する傾向にあるため、顧客単価の上昇が期待できます。ブランドロイヤリティと顧客ロイヤリティを高めることで、関連する別のサービスを購入する「クロスセル」、より高級な価格帯を選択する「アップセル」などにもつながりやすくなるでしょう。
ロイヤルカスタマーの増加および解約率の低下
ブランドロイヤリティが高いと、継続してブランドを愛用してもらえます。顧客ロイヤリティが高いと、競合他社に乗り換える可能性が低くなります。ブランドロイヤリティと顧客ロイヤリティを高めることはロイヤルカスタマーを増価させ、解約率を低下させるでしょう。
広告宣伝費の抑制
ブランドロイヤリティが高い場合、広告で訴求しなくても商品やサービスを購入してもらえます。また、顧客ロイヤリティが高い場合は、商品やサービスについて顧客が自発的にSNSなどで共有する可能性が高くなるため口コミでの拡散が期待できます。ブランドロイヤリティと顧客ロイヤリティを高めることは広告宣伝費の削減につながるでしょう。
顧客ロイヤリティ、ブランドロイヤリティを高める方法
顧客ロイヤリティを高める方法として有効なのが、顧客の反応や反響の把握です。アンケート調査やSNSの口コミ、顧客インタビュー、またはカスタマーサポートを通じた意見収集などを通して顧客からのフィードバックを積極的に収集し、反応や反響を正確に理解しましょう。集まったデータを分析し、ニーズや不満点を明確にしたうえで改善策や新たな戦略を策定することが大切です。
ブランドロイヤリティを高める方法としてまず挙げられるのは、ブランディングです。ブランドに対する親近感や愛着の湧くイメージの創出が重要だからです。丁寧かつ親切な対応もまた親近感や愛着を醸成させます。カスタマーサクセスの導入も効果的でしょう。ブランド独自のイベントを開催や、ポイントプログラムなどのインセンティブを付与することでも、ポジティブなブランド体験を提供することが可能です。
また、ユーザー同士が交流することもブランドロイヤリティを高めるために有効な方法の1つです。SNSなどを活用してユーザーコミュニティを形成することも検討しましょう。ユーザーコミュニティの形成は顧客ニーズを知ることにも役立ちます。
ロイヤリティのまとめ
ロイヤリティについて以下に、主要なポイントをまとめます。
・ロイヤリティ(Loyalty)とは、顧客や従業員の企業やブランド、商品、サービスに対する愛着、忠誠を指す言葉
・従業員ロイヤリティを高めることで、離職率の低下や従業員モチベーションの向上、組織力の強化や業務効率化が期待できる
・顧客ロイヤリティ、ブランドロイヤリティを高めることで、顧客単価の上昇、解約予防、リピーター増加、広告宣伝費の抑制が期待できる
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