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【目次】
1on1ミーティングとは上司と部下が1対1で話し合う機会
1on1ミーティングと人事評価面談との違い
1on1ミーティングを実施する目的
部下との信頼関係の構築
組織力の強化
1on1ミーティングが注目されている理由
1on1ミーティングを実施する効果やメリット
部下の心理的安全性を高められる
部下のキャリア支援および離職率の低下につながる
部下の主体性やモチベーションを高められる
業務の効率化および生産性の向上につながる
1on1ミーティングの流れ
Step1: 1on1ミーティングを実施する目的を共有する
Step2: 日時と場所を決める
Step3: 1on1ミーティングを実施する
Step4: 1on1ミーティングの内容を振り返る1on1ミーティングのトピック例
1on1ミーティングをより効果的なものにするためのポイント
上司は聞き役に徹する
リラックスできる雰囲気をつくる
1on1ミーティングに必要なスキルを身に付ける
部下の特性に合った方法でサポートする
1on1ミーティングに役立つサービスやツールを活用する
1on1ミーティングのまとめ
1on1ミーティングとは上司と部下が1対1で話し合う機会
1on1ミーティングは、上司と部下が1対1で話し合う機会のことを指します。
半年から1年に1回ぐらいの頻度で行われる従来の面談に比べ、短いサイクルで定期的に実施されることが多く、頻度は1週間もしくは1ヶ月に1回程度、ミーティングの時間は1回につき15~30分程度とすることが一般的です。部下の育成やモチベーション向上のために実施します。
1on1ミーティングと人事評価面談との違い
1on1ミーティングと人事評価面談を混同してしまうことがあるため、違いを説明します。
部下をサポートして成長を促すことが目的となる1on1ミーティングに対し、人事評価面談の目的は部下を管理、評価することです。
1on1ミーティングでは、業務に関することからプライベートな内容まで話題も幅広く、対話型のコミュニケーションになりますが、人事評価面談では上司から部下への一方的なコミュニケーションとなります。
また、実施頻度にも違いがあります。四半期もしくは半年に1回程度の人事評価面談に対し、戦術の通り1on1ミーティングは1週間もしくは1ヶ月に1回程度です。
1on1ミーティングを実施する目的
1on1ミーティングを実施する目的は、部下の育成やモチベーション向上のためです。組織として1on1ミーティングを導入する目的は大きく2つあります。それぞれについて説明します。
部下との信頼関係の構築
1on1ミーティングの大きな特長の1つが「対話型」であることです。上司が一方的に業務上の改善点を指摘したり評価したりするのではなく、上司が部下の悩みや不安をヒアリングし、部下の考えを引き出すことができるので、部下の悩みや不安を解消するサポートや、部下に新たな気付きを与えられることもあるでしょう。
また、定期的に実施するので、対話型のコミュニケーションを通して信頼関係を築くことが可能です。
組織力の強化
1on1ミーティングは、部下の帰属意識を育むことにも寄与します。従業員エンゲージメントの向上にもつながるため、離職率の低下やパフォーマンス向上も期待でき、組織力の強化も期待できるでしょう。
1on1ミーティングが注目されている理由
1on1ミーティングが注目されている背景には、VUCAの時代がありますが、主な理由としては以下2つの要素が関係しています。
・労働人口の減少
・働き方の多様化
少子高齢化にともない、日本の労働人口は減少傾向にあります。さらに、日本企業で古くから採用されている終身雇用制度や年功序列型賃金も崩壊したとされていることから、人材の流出を少しでも防ごうと、1on1ミーティングの必要性が高まっています。
また、現在はテレワークの導入や副業の容認など働き方が多様化し、従業員同士が意見を共有する機会が減りました。仕事に対する価値観も多様化していることから、一人ひとりに合わせたコミュニケーションが必要です。
これらの状況から、1on1ミーティングのような対話型のコミュニケーションが注目されるようになったといえます。
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1on1ミーティングを実施する効果やメリット
1on1ミーティングを実施すると得られる効果やメリットを3つ紹介します。
部下の心理的安全性を高められる
定期的に1on1ミーティングで業務内容から人間関係、プライベートの悩みや世間で注目されているニュースまで、さまざまな話をすることで、上司と部下の精神的な距離を縮め、信頼関係を構築できます。
信頼関係が構築されると、心理的安全性も高まります。業務パフォーマンスの向上にもつながるでしょう。
部下のキャリア支援および離職率の低下につながる
1on1ミーティングは短いサイクルで実施するため、部下の些細な変化に気付きやすいでしょう。
部下が抱えている悩みを解消するサポートや、職場環境をより良い状態に整えれば、離職を防ぎやすくなります。離職率の低下につながるのも、メリットの一つです。
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業務の効率化および生産性の向上につながる
1on1ミーティングを行うことで、部下の悩みや不安、現在の課題などが把握できます。課題が把握できると、組織的に業務の効率化を図りやすくなるでしょう。
また、部下自身にも、1on1ミーティングを継続することで、自身の業務を定期的に振り返る習慣が身に付きます、上司からフィードバックをもらうことで、客観的にも捉えやすくなり、今後どのように行動すべきか、どうすれば課題が解決できるかが考えられるようになるでしょう。
結果として、一人ひとりの生産性が高まり、組織全体の生産性向上も期待できます。
1on1ミーティングの流れ
意味のある1on1ミーティングにするために、事前に準備をしましょう。具体的にどうすべきかを4つのステップにわけて解説します。
Step1: 1on1ミーティングを実施する目的を共有する
まずは、1on1ミーティングを実施することを目的とともに共有しましょう。1on1ミーティングを実施する、と伝えるだけでは「1日の仕事量が増えた」と、部下がネガティブなイメージを抱いてしまう可能性があります。何のための時間なのかを事前に説明しておくことが大切です。実施の目的を正しく理解してもらい、「話すことがない」「何を話せばいいのかわからない」という状況に陥ることを防げるでしょう。
Step2: 日時と場所を決める
次に、日時と場所を決めましょう。例えば「第3木曜日の16時~16時30分」といったようにスケジュールを固定化し、都合によってリスケするのも1つの方法です。実施場所に決まりはなく、毎回固定する必要もありません。会議室や社外のカフェ、オンラインなど、お互いにとって話しやすい場所を選びましょう。
Step3: 1on1ミーティングを実施する
1on1ミーティングは部下のための時間ですので、上司は話を聞くことに集中しましょう。話した内容を記録して忘れないようにすることも重要です。
お互いに1on1ミーティングの内容をいつでも振り返ることができるようにしておけば、部下の進捗を把握しやすくなるうえに、認識の齟齬も防げます。
また、部下の主体性を高め、成長を促すために、上司が先導するのではなくアジェンダも部下に決めてもらうようにしましょう。そうすることで相互理解も深めやすくなります。部下が緊張してしまわないように、部下をリラックスさせる工夫も大切でしょう。
Step4: 1on1ミーティングの内容を振り返る
最後に、その日の1on1ミーティングの内容を振り返り、次回につなげましょう。得られた気付きや今後の課題などを確認することは、部下の成長についてのフィードバックにも活かせます。
1on1ミーティングのトピック例
1on1ミーティングで話すトピックは部下に決めてもらうことが望ましいですが、部下がうまくトピックを見つけられない際など、上司からの提案が必要な場合のために、いくつかトピック例を用意しておきましょう。
・趣味などプライベートに関するトピック
プライベートに踏み込みすぎないよう注意は必要ですが、アイスブレイクとしても有効で、部下の緊張を和らげるのにも役立つでしょう。
・ 心身の健康状態に関するトピック
心身の健康状態は、業務に対するモチベーションや部下の休職や離職にも関係する場合があるため、確認したいトピックではあるものの、センシティブな話題ですので聞き方には注意が必要です。部下の声に耳を傾け、健康的に働ける環境を整えることで部下のパフォーマンスとモチベーションの向上も期待できるでしょう。
・業務内容や職場に関するトピック
業務中には相談しづらい内容でも、1on1ミーティングは気兼ねせず相談できる機会だと部下に伝えておくことが大切です。そうすることで自発的に話をしてくれるでしょう。些細なことでも声に耳を傾けることで、業務内容や職場に関して今まで気付けなかった課題を発見し、解決できる可能性があります。
・今後のキャリアに関するトピック
1on1ミーティングはキャリアプラン、自身の強みや弱み、挑戦したい仕事などについて話す機会にもできることも部下に伝えておきましょう。今後のキャリアプランを考えるサポートをすることは部下の成長にもつながるだけでなく、急な退職などのリスクも回避できるでしょう。
1on1ミーティングをより効果的なものにするためのポイント
1on1ミーティングをより効果的なものにするためのポイントを紹介します。
上司は聞き役に徹する
1on1ミーティングの主役はあくまで部下であることを意識し、聞き役に徹するように心がけましょう。部下が安心して本音で話せる環境をつくることが大切です。決して話を遮ったり、否定することがないように注意しましょう。
リラックスできる雰囲気をつくる
アイスブレイクで緊張をほぐしたり、適度に相槌をうつ、相手の目を見るなど、誠実に聞いていることが伝わるような行動に意識することも大切です。
部下にとって話しやすい状態をつくることで、不安に思っていることも共有しやすくなります。リラックスして話ができる雰囲気づくりに努めましょう。
1on1ミーティングに必要なスキルを身に付ける
1on1ミーティングを有効な時間にするためには、上司のコーチングスキルやフィードバックスキルが必要です。
大前提となる、聞き役に徹する、傾聴する姿勢もその中に含まれます。部下の成長につながる建設的な対話をするために身につけましょう。
部下の特性に合った方法でサポートする
部下によって、価値観や特性、状況などは異なります。それぞれが必要としているサポートも異なります。部下が必要としているサポートを部下に合った方法でおこなうようにしましょう。
1on1ミーティングに役立つサービスやツールを活用する
1on1ミーティングに役立つサービスやツールの活用も検討しましょう。カレンダー機能や面談フォーマットの作成機能、記録機能などを利用することで負担の軽減や管理の効率化が可能です。負担の軽減や管理の効率化は、1on1ミーティングを継続的に実施するためにも有効でしょう。
1on1ミーティングのまとめ
以下に、1on1ミーティングについての要点をまとめます。
・1on1ミーティングとは上司と部下が1対1で話し合う機会のことを指し、部下の育成やモチベーション向上を目的としている
・1on1ミーティングは、実施する目的の共有、日時と場所の決定、1on1ミーティングの実施、1on1ミーティングの内容の振り返り、という流れで実施する
・より効果的なものにするためには、聞き役に徹する、部下の特性に合った方法でサポートするなどの工夫が大切
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