青果卸売にキャッシュレス化の革新を
― 青果卸売会社が語る業務効率化と企業間カード決済導入のメリット ―
農産物の流通量や価格の変動、人材不足や輸送コストの上昇などの課題を抱える青果卸売・物流業界。食材や食品を購入する飲食業者や宿泊施設、病院等にとっても影響は決して少なくない。
その中で、業務の効率化による負担の軽減、さらには経営改善につながる選択肢として注目を集めているのが企業間カード決済だ。
2015年にアメックスの加盟店となった株式会社フレッシュ青果(本社:鹿児島県鹿児島市)の代表取締役社長・西原 亮一氏に話を聞いた。
社会情勢の変化や価格変動の中でも安定した取り扱いを目指す
―まずは事業内容について教えてください。
当社は、飲食店やホテル、病院や学校などのお客様に業務用の野菜や果物を卸している会社です。現在は九州・関西・関東などに21ヶ所の拠点を持っています。
各営業所には大型冷蔵庫を設置して、その中で商品の仕分けを行い、青果の鮮度や品質を保つことに力を入れています。商品は鹿児島本店から各地に配送するほか、各拠点の近くの市場から独自に仕入れている場合も多くあります。
―現在、積極的に営業所を増やされていますね。
2024年11月には中四国広島本店を開設したところです。営業所を増やすのは、より多くのお客様に対して新鮮な野菜をスムーズに届けるためであるのはもちろん、会社として売り上げを伸ばすためには、既存の営業所だけで回すよりも新しく営業所をつくる方が実は効率が良いからという理由もありますね。
現在では、インバウンド需要もあって、沖縄、大阪、東京など、観光地や繁華街が近い拠点の伸びが特に目立ちます。
営業所の開設にあたっては新たな取引先の開拓も必要になりますが、当社の場合、各地で経験を積んできた営業担当者たちが赴任し、それぞれが培ってきたセールススキルを発揮することで立ち上げをスムーズに行える土壌があります。営業所をひとつ増やせば所長のポストがひとつ増えることになりますから、上を目指したい社員にとってはそれも励みになっているようです。
―青果の卸売は社会情勢や気候変動などさまざまな要因に影響を受けると思いますが、その点はいかがですか。
例えばコロナ禍では、外食需要が一気に減ったことで多大な影響があり、やはり売り上げも一時的に下がりました。ただ当社の場合は、飲食店のお客様だけでなく、病院や学校給食用の商品も扱っていることが大きかったですね。社員の頑張りもあり、幸いその時期を乗り切って雇用も経営も維持することができました。
天候などによる価格変動の影響ももちろん受けます。青果は価格の動きが非常に大きく、たった一日で倍近く上がることも下がることもありますし、短期間で一気に10倍もの値段になってしまうことすらあります。
ですが当社は各地に拠点を持っているので、価格高騰や品薄の際も、その時に最も商品を確保しやすい地域で仕入れられるネットワークがあることが強みです。商品を必要としているお客様のために、欠品を出さないことはやはり基本ですから。
また、お客様との契約によって、月間で一律の価格で商品を卸しているケースもあれば、相場に合わせて日々価格が変わるケースもあるので、営業担当者一人ひとりが細やかな対応を行い、お客様に納得していただける値付けに努めています。
商品をスピーディに仕分けして配送
業務の効率化を重視して
アメックスの企業間カード決済を導入
―アメックスの企業間カード決済を導入してみて、どのように感じていますか。
もともと青果卸売は現金払いの慣習が強い業界です。その中で、当社はキャッシュレス化を積極的に推進しています。地域やお客様の事情によっては営業担当者が納品の際に現金の受け渡しをしているケースもまだありますが、全社的には企業間カード決済の件数がかなり増えている状況です。
アメックスのカードで支払えばポイント*が貯まりますから、お客様にも喜んでいただいています。先日も九州で新たに大きな取引の始まったお客様がアメックスのビジネス・カードに入会されました。
当社としても、入金が確保できるという面で安心できる部分もありますね。もちろん加盟店側には手数料が発生するわけですが、それでも業務の効率化などを考えればメリットは大きいと考えています。
―キャッシュレス化はDXの面からも重視されているそうですね。
社内の業務効率化を推し進め、生産性をさらに向上させるために、以前からDX化に非常に力を入れています。アメックスの企業間カード決済をはじめとしたキャッシュレスの推進もその一環です。DX化のための多様な取り組みが評価され、当社は2024年11月に経済産業省の「DX事業者」に認定されました。
お客様と社員、双方にとっての利便性の向上を目指して、パソコンやスマートフォンで手軽にご注文いただける独自の受注システム「FOLOS」や、手書きの発注FAXをAIで読み取れるシステムなど、これまでさまざまな仕組みを導入してきています。
また、これは社内の課題ですが、各エリアによって異なる商品コードの統一も進めているところです。青果の区分は産地やサイズなどによって細かく分かれており非常に複雑なのですが、お客様が選んだ商品をスムーズかつ確実にお届けするために、システムの整備は急務のひとつです。
お客様が求める商品を確実に届ける
流通を通して飲食業や農業を支えながら
社員の働きやすさも大切に
―DX化や業務の効率化を進めている大きな理由は何でしょうか。
青果卸売にとどまらず社会全体の問題ですが、人手不足の解消は大きな課題ですね。
当社は20代・30代の若手社員が多く活躍している会社です。今年からは中途入社に加えて新卒採用を始めましたが、学生の皆さんはやはり効率の良い働き方やDX化に魅力を感じている印象です。
どうしてもハードワークのイメージが強い業界ですが、当社では働きやすい環境づくりを積極的に進めています。キャッシュレスの導入を含む業務の効率化は、そのために不可欠な取り組みと言えます。
―今後の抱負をお聞かせください。
市場を通してだけではなく農家さんとの直接契約を増やしたり、自社農家を持つなどして、青果を確実に流通させる仕組みをつくりながら日本の農業を支えていきたいというのが、今後の目標のひとつです。
もちろん卸売会社としてのさらなる成長も目指しています。この先も積極的に営業所を増やし、将来的には全都道府県に拠点を構えたいと考えています。
「レモン一個からでも喜んでお届けする」これがフレッシュ青果のモットーですが、入社してくる社員からもこのフレーズに共感したという声を多く聞きますし、いつでもお客様のご要望に応える気持ちを忘れずにいたいと思っています。これからも、DX化や業務の効率化を進めながらも、人と人とのつながりを大切にし続ける企業でありたいと考えています。
*メンバーシップ・リワード®のポイント―有効期限など利用条件がございます。
株式会社フレッシュ青果 代表取締役社長 西原 亮一氏
アメックスのカード決済による取引が生む価値
アメックスのカード決済によって、買い手と売り手の安心・安全な取引と、
より良い関係性の構築が実現する
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