ー 建設業界の商習慣を変えていく ー
企業間カード決済の導入で課題解決 インテリア総合商社・佐藤が目指す未来
九州でトップシェアを誇るインテリア総合商社・佐藤株式会社。大正7年の創業から、今年で106年目を迎える老舗でありながら、DXやキャッシュレス決済の導入にも積極的だ。2022年には、アメリカン・エキスプレス(以下、アメックス)の加盟店となり、法人カード※1を利用した企業間決済サービスもスタート。その根底には、「業界の商習慣を変えたい」という、4代目社長・佐藤栄治氏の強い思いがあった。すでに表れ始めているその成果と、佐藤社長が展望する業界の未来について、日経BP 総合研究所の安達功が訊く。
※1 法人カードとは、企業や個人事業主向けのクレジットカード。企業間の仕入れ、接待交際費など企業が経営していくための経費精算に用いることが多いビジネス専用カード。
手形・現金の回収には課題山積 キャッシュレスで商習慣を変革
安達 ー 佐藤株式会社さんは、久留米藩有馬家の御用表具師をルーツに持つ、老舗のインテリア総合商社。佐藤社長は、当時32歳の若さで4代目社長に就任されています。
佐藤 ー それまでは医療用品卸会社に勤務していたので、業界が変わるとこうも商習慣が違うのかと、最初は驚きました。
安達 ー 何に一番驚かれましたか。
佐藤 ー 決済で手形が大半を占めていることです。入社後6年間は営業を担当していたのですが、日々お客様の元に出向いて手形や現金をいただき、領収書を発行し、入金処理をする、ということを繰り返していました。これでは時間を取られ、本来の営業活動もできず、何とかしなければと思いましたね。
安達 ー 当初から強い問題意識をお持ちだったのですね。
佐藤 ー 私が社長に就任した1999年から、決済については、お客様に手形の郵送や振り込みのお願いなどをし続けてきましたが、長年の商習慣は、やはり一社では変えられませんでした。
安達 ー それを変える契機となったのが、企業間カード決済というわけですね。
佐藤 ー はい。業界を変革する画期的なアイデアを模索していたところ、ちょうどアメックスさんからお話をいただいて。2022年から企業間取引にカード決済を受け入れるためにアメックスの加盟店となり、弊社の顧客企業から法人カードによる支払いの受け入れを開始しました。
安達 ー 導入を決めた理由は?
佐藤 ー 来たるキャッシュレス時代に最短で対応可能な手段だと考えました。でも企業間での取引にカード決済ができるなど、そもそも知りませんでした。「できるなら、やるしかない」と即決しました。
佐藤株式会社の事業 : 壁装材、床材、カーテン、襖材、その他内装材、工具及び接着剤の卸販売
法人カード決済の受け入れにより顧客満足度が向上 自社の手間やコスト削減にも
安達 ー どのような成果を得られましたか。
佐藤 ー 導入前に感じていた、4つの課題を解決することができました。1つはお客様の満足度を高め、良好で継続的な取引関係を構築すること。新しい決済手段の提案は満足度向上につながり、顧客の囲い込みやシェア拡大にも寄与しています。実際、「カード払いできるのであれば、佐藤から買うよ」と言ってくださるお客様は多いんです。
安達 ー 事務手続きの軽減やコストの見える化が図れるうえ、ポイント※2 を獲得できるなど、お客様にとってのメリットも大きいですからね。
佐藤 ー 2つ目は、アメックスの審査を通じて、与信調査を正確に行える環境が整ったこと。おかげで、新規のお客様とも迅速にお取引ができるようになりました。現在、当社の取引先は約3000社になりますが、アメックスの企業間決済サービスを導入したことで、優良顧客が増えている印象です。3つ目は、売掛金の回収リスクと手間の軽減です。お客様の会社や現場に足を運ぶ労力や、領収書の発行にかかる時間やコストも大きく削減できました。売上金は、毎月のデータ送信でアメックスより一括入金されるので、4つ目の課題であったキャッシュフローの改善にもつながっています。
安達 ー お客様からは、どんなお声が上がっていますか。
佐藤 ー とにかく便利になった、と喜ばれています。なかには、「集金に来てくれなくなるのは寂しい」と、嬉しいお言葉をかけてくださるお客様もいらっしゃいますが(笑)。でも業界の今後を考えると、効率化・低コスト化はどんどん進めていくべきだと思います。
安達 ー いち早くカード決済を導入することで、他社との差別化もできますね。
佐藤 ー 導入企業はこれから増えてくると思うので、この強みを最大限に生かしていきたいと考えています。ただ本音を言えば、将来的には企業間カード決済が当たり前の世の中になっていくことを望んでいます。
※2 メンバーシップ・リワード®のポイント
企業間決済サービスを業界の新しい常識にしていく
安達 ー フロントランナーである佐藤さんが法人カード決済を牽引することで、業界にはどのような変化が起きていますか。
佐藤 ー 実はもう、法人カード決済の受け入れを始めた競合が登場しています。それだけキャッシュレスのメリットが広まりつつあるということでしょう。業界の商習慣を変えるためにも、喜ばしい流れだと歓迎しています。
安達 ー でも、先駆者としての優位性は薄れてしまいますよね。
佐藤 ー そうなれば、お客様の次のニーズを探していくだけです。仕事というのは恋愛と同じで、いかに相手のお役に立ち喜んでいただけるか、そのために何ができるかを考えることが肝心。その意味で、企業間決済サービスの導入は大成功でした。お客様が満足されている証しは、売り上げにも確実に現れています。
安達 ー その喜びを、業界全体に広めていきたいとお考えなのですね。
佐藤 ー 地域や業界の発展のためにも、法人カード決済のような新しい試みに率先して取り組むことが、長くこの地で商いをしてきた当社の役割だと自負しています。
安達 ー 最後に、決済に悩みを感じている読者へのメッセージをお願いします。
佐藤 ー まずは思い切って既成概念を捨て、別の決済手段を検討してみることが第一歩。新しいことを始めるには勇気が要りますが、企業間決済サービスにはそれだけの価値があります。そのメリットを実際に体験し、存分に有効活用することで、皆様の事業成長に役立てていただきたいと思います。
取材を終えて
過去30年間変わることのなかった建設業界の商習慣。手形や現金はその最たる例です。業界の人手不足が深刻化するなか、このままではいけないと行動を起こしたのは、まさに佐藤社長の英断。企業間カード決済を「業界の当たり前」にしていくことは、事業の持続的成長にもつながります。そのためには、まずやってみることが大切だという言葉も印象的でした。
日経BP 総合研究所
フェロー 安達 功
出典:この記事は2023年10月26日号の「日経アーキテクチュア」で公開されたタイアップ記事を一部編集し掲載しています
お問い合わせ
アメリカン・エキスプレスがサポートいたします。
まずはお気軽にご相談ください