「取り急ぎ」を目上の人には失礼?ビジネスメールでの意味や言い換え表現を解説
「取り急ぎ」を目上の人には失礼?ビジネスメールでの意味や言い換え表現を解説
2023/10/27
2023/10/27
正しく使えていますか?「取り急ぎ」という言葉
正しく使えていますか?「取り急ぎ」という言葉
ビジネスメールでよく使われる「取り急ぎ」。「取り急ぎ」は、「とりあえず/急いで」という2つの意味を含んでおり、メールでは定型文のようによく使われます。文章の結びに何かと使ってしまいがちなフレーズですが、使い方によっては相手に失礼にあたったり、相手が不快に感じてしまうこともあります。
今回は例文を交えて、「取り急ぎ」の正しい使い方を解説します。
「取り急ぎ」の意味
「取り急ぎ」の意味
「取り急ぎ」の意味を辞書で調べると、次のように説明されています。
・「さしせまった事をぶしつけに申し上げますが」の意で、手紙文に用いるあいさつ語(新明解国語辞典[第三版])
・「いそぎ」を強めていう語。手紙文に用いる(デジタル大辞泉)
こうした意味からビジネスの現場で「取り急ぎ」という言葉を使うのは、まず緊急に用件を伝えたい場合です。緊急の用件ではないのに「取り急ぎ」という言葉を使うのは、適切ではありません。
また「取り急ぎ」は手紙やメールなどに用いる書き言葉であり、文章の終わりに締めくくりの言葉です。このため、文章のはじめや途中で用いる事は、あまりないと覚えておきましょう。
ビジネスシーンでは、下記のような場合に使用されます。
・トラブルが発生したときの報告や相談
・急な変更などがあったときの連絡
・急いで伝えるべき経過報告
改めて詳細を連絡することも書き添えるのがマナー
改めて詳細を連絡することも書き添えるのがマナー
不慮の出来事や緊急の連絡で使用する「取り急ぎ」ですが、メールなどで使用する際は、必ず、改めてこちらから連絡をするということも記載しましょう。結論や概要のみを緊急で連絡しただけでは、その後のフォロー不足と受け取られてしまう可能性もあります。
日を空けず、改めて経緯や進捗、今後の対応についてなどを連絡することで、相手から信頼を得ることにもつながります。
「取り急ぎ」を使った例文
「取り急ぎ」を使った例文
では次に、取り急ぎを使った例文をご紹介します。
例文(1):取引先へ発送した品物が間違っていた場合
「先般納品しました〇〇について、弊社から発送した商品が異なっておりましたことが判明いたしました。早急に正しい商品を発送いたします。誤って発送した商品の返品方法などについては、追ってご連絡いたしますが、取り急ぎご報告させていただきます。」
例文(2):会議/イベントの開催日が変更になってしまった場合
「〇月〇日に予定しておりました会議について、急遽延期となってしまいました。改めての日程は後日ご連絡いたしますが、取り急ぎお知らせいたします。」
例文(3):仕事のスケジュールに変更が生じた場合
「ご依頼いただいております現場設備の修理につきまして、現時点で2日ほど作業工程が遅れております。そのうえで予定していた修理完了日には間に合うよう、現在、諸般の調整を行っております。取り急ぎ現状の報告のみで恐縮ですが、詳細は改めてご報告いたします。」
このように、詳細の説明は省き、至急伝えるべき要件のみを連絡する際に使用します。
「取り急ぎ」を使う際の注意点
「取り急ぎ」を使う際の注意点
緊急の連絡だからといって、相手やタイミングを選ばず使用してはいけません。「取り急ぎ」を使用する際は、下記に気を付けましょう。
■「取り急ぎ」を使うべきタイミングかどうか
・遅くとも一両日中に伝えなければならない、急ぎの報告や連絡に用いる
・すでに何日も経過している場合は使用しない
あくまでも緊急に連絡したい要件がある場合に使用するのが「取り急ぎ」です。緊急の連絡としては時間が経過しすぎている場合は使用しません。
■お礼やお詫び、目上の人や数日が経過している場合は使用しない
・お礼やお詫び
・目上の相手やクライアント、上司宛
目上の相手やクライアント、お礼やお詫びには使用しないほうがベターです。「取り急ぎ」は、「今は時間がなく詳細の説明はできないため急ぎ一報する」ということです。そのため、後日改めて丁寧な連絡をしたとしても、失礼と受け取られてしまう可能性があります。
こんな言葉で言い換えたい、「取り急ぎ」の言い換え例
こんな言葉で言い換えたい、「取り急ぎ」の言い換え例
では、目上の相手やクライアント、お礼やお詫びの場合にどのように言い換えたら良いか、例文を交えてご紹介します。
例文(1):「〇〇のみで失礼いたします」
急ぎの連絡や報告では、伝えるべき内容のみを簡潔に素早く相手に伝えることが求められます。このため文章の末尾に、「〇〇のみで失礼いたします」と書き添えておきましょう。
「以上、報告のみで失礼いたします。」
「日程変更の連絡のみで失礼いたします。」
例文(2):「一旦」
差し当たって/急いでという意味で、「一旦」という言葉を使うのも良いでしょう。ただし、やや話し言葉に近いフランクな印象のある言葉でもあるので、目上の相手やクライアント、上司に対しては多用しない方が良いかもしれません。
「一旦、変更の内容のみお知らせいたします。」
「一旦、ご報告させていただきます。」
例文(3):「まずは」
とりあえず/急いでというニュアンスを伝える場合には、「まずは」という言葉に言い換えることができます。ただし、「取り急ぎ」に比べ、若干緊急度が低く感じられることもあります。
「まずはお知らせのみにて失礼いたします。」
「まずは御礼申し上げます。」
「メールにて恐縮ですが、まずはご確認をお願いいたします。」
「本来ならば直接お詫びすべきところ大変恐縮ですが、まずはメールにてお詫び申し上げます。」
例文(4):「略儀ながら」
内容を省略して伝える際には、「略儀ながら」という言葉を使うことができます。この場合、「急いで」という意味はあまり含まれません。
「略儀ながらメールにてご報告いたします。」
「略儀ながら御礼申し上げます。」
「略儀ながら手紙にてご挨拶申し上げます。」
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