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【ジョブ型雇用とは?】メリットやデメリットなど変化する日本の雇用形態への対応を解説

【ジョブ型雇用とは?】メリットやデメリットなど変化する日本の雇用形態への対応を解説

Work

2023/09/25

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2023/09/25

【ジョブ型雇用】今後変化する日本の雇用形態への対応
【ジョブ型雇用】今後変化する日本の雇用形態への対応

競争力を高めることを目指し、日本の雇用形態にも変化が

 

競争力を高めることを目指し、日本の雇用形態にも変化が

 

働き方改革や経済のグローバル化、IT関連の急速な発展、新型コロナウイルスによって加速するテレワークなど、ビジネス環境はめまぐるしく変化しています。その中で、日本の企業は競争力を高めようと、さまざまな努力を続けています。

 

雇用の変化もその一つであり、従来の日本型雇用と言われる「メンバーシップ型雇用」から、欧米の「ジョブ型雇用」に注目が集まっています。アメリカン・エキスプレスも25年以上にわたり、国内外を問わずジョブ型雇用を導入している企業のひとつです。

 

今回は、そんなジョブ型雇用とはどのようなものか、企業が進めるジョブ型雇用では個人はどのように対応すべきかを紹介します。

職務に適したスキル、経験者を採用するジョブ型雇用とは

 

職務に適したスキル、経験者を採用するジョブ型雇用とは

 
職務に適したスキル、経験者を採用するジョブ型雇用とは

日本では、長らく新卒一括採用などで人材を集め、入社後に適性を判断し仕事を割り振る方法を採用してきました。いわゆる、「メンバーシップ型雇用」です。しかし、能力主義、成果主義が叫ばれる現代、年功序列の雇用形態であるメンバーシップ型雇用が立ちいかなくなってきています。そこで欧米型の「ジョブ型雇用」へ関心が集まっています。

・ジョブ型雇用とは

ジョブ型雇用は、企業が働き手の職務内容、勤務地、労働時間などの条件を明確に決め、雇用契約を結ぶ制度です。

 

職務内容は専門性が高く、即戦力になる働き手を求める傾向があります。働く人にとっては、雇用契約に定められた職務内容の範囲内で成果をあげればよいので、仕事とプライベートを明確に分けることができ、現代のニーズに即している雇用形態かもしれません。

・日本の企業がジョブ型雇用を導入する背景

近年話題になったのが、日本企業の国際競争力の低下です。

 

日本はアジアでは中国、台湾、韓国と総合順位で抜かれたとも言われることがあります。とくにIT関連業界はエンジニアなどの人材が不足しているなど、競争力低下の一因ともされています。そこで生産性向上のため、専門的知識を持った人材を求める機運が高まっています。働き方改革や同一労働同一賃金など、法的な面での後押しもジョブ型雇用の追い風になっているのでしょう。

 

企業は専門性の高い人材を採用し、経営効率を上げていくことが求められています。

 

【参考】厚生労働省:「経済社会構造の変化と新しい時代の働き方」

・ジョブ・ディスクリプションとは

ジョブ・ディスクリプション(職務記述書)は、職務範囲や内容、各個人に求められるスキル・資格などが詳しく書かれた書類です。

 

欧米では当たり前に存在するもので、ジョブ型雇用において採用時や人事評価をする際に重要な役割を果たします。その書類に記述される主な内容は、以下の通りです。

 

■肩書・役職・職種などのポジション名

■職務の目的

■職務の内容や範囲

■責任や権限の範囲

■必要とされるスキル、資格など

■給与や待遇、勤務時間 ほか

ジョブ型雇用のメリット/デメリット

 

ジョブ型雇用のメリット/デメリット

 
ジョブ型雇用のメリット/デメリット

日本でも導入が増加しているジョブ型雇用。即戦力による経営効率アップを狙う企業にはメリットがあります。しかし、人材活用の視点でみるとデメリットもあると言われています。

 

従来のメンバーシップ型雇用とジョブ型雇用のメリット/デメリットを比較してみます。

・ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用のメリット/デメリット

人に対して仕事を用意するメンバーシップ型雇用に対し、ジョブ型雇用は仕事に対して人を配置することが大きな違いです。

 

メンバーシップ型雇用は職務内容や勤務地の制限がなく、またジョブローテーションや研修などを通してマネージャーや役員の育成を旨とするのが一般的です。対してジョブ型雇用は、ジョブ・ディスクリプションによる特定の職務に従事するので、キャリアアップ、報酬アップは自己研鑽によるところが大きくなります。

ジョブ型雇用とメンバーシップ型雇用のメリット/デメリットを比較すると以下のようになります。

 

ジョブ型雇用
  メリット デメリット
企業 ・育成コスト削減、生産性向上が可能 ・人材の配置転換が困難
・雇用のミスマッチを防ぎ、戦略的な人員確保が可能 ・人材流出が起きやすい
・雇用契約不備による労使間トラブル
個人 ・スキル、資格を最大限に生かせる ・雇用が不安定になりやすい
・人事評価の透明性と公平性
・報酬額の明確化

 

メンバーシップ型雇用
  メリット デメリット
企業 ・柔軟な人事配置が可能 ・年功序列による賃金的弊害
・変化に対応しにくい
個人 ・安定した収入を確保 ・会社都合による異動、残業など、自分自身の意見が通りにくい
・ジョブローテーションなどによるキャリアアップが図りやすい

・ジョブ型雇用における個人に求められるもの

では、ジョブ型雇用で個人に求められることは何でしょうか。

 

ジョブ型雇用で求められる能力は、高い専門性です。エンジニアであれば、磨くべきスキルや資格などは明確です。営業という職種でも業界、分野における知識の習得は不可欠。そして、コミュニケーション能力、プレゼン能力、アイデアを生み出す能力を同時に養うことで人材的価値が高まりますので、専門性を活かすための自己研鑽は必要です。

 

また、自ら目標を立て実行する自律性もジョブ型雇用では求められます。

ジョブ型雇用時代に適応するために、個人によるスキルアップ、キャリアアップが求められます。そのために必要なのが、「キャリア自律」という考え方です。

アメリカン・エキスプレスの導入事例

 

アメリカン・エキスプレスの導入事例

 
アメリカン・エキスプレスの導入事例

前述したように、アメリカン・エキスプレスでもジョブ型雇用を採用しています。 採用プロセスを公平かつ公正に、全社員のオープンなキャリア開発の機会提供を目的に、ポジションに空きが発生した場合は社内公募を優先して行い、一定条件をクリアした社員は、国内外問わず希望ポジションに応募することが可能です。他職種・他国への異動といったキャリアアップ、キャリアチェンジに挑戦できる仕組みになっています。そのため、自分に最適なキャリア機会の発見、自分の能力を強みとした理想的なキャリアジャーニーを形成することができます。

 

【参考】アメリカン・エキスプレス:「自分の場所を発見しましょう:あなたの情熱と専門知識が生かせる有意義なキャリア」

ジョブ型雇用時代に対応するためのキャリアの考え方

 

ジョブ型雇用時代に対応するためのキャリアの考え方

 
ジョブ型雇用時代に対応するためのキャリアの考え方

ジョブ型雇用時代に適応するために、個人によるスキルアップ、キャリアアップが求められます。そのために必要なのが、「キャリア自律」という考え方です。

・キャリア自律とは

スキルアップやキャリアに関して、会社や上司が考えるのではなく、自分自身がキャリアについて主体的に考え、キャリア形成に取り組むことを「キャリア自律」と言います。メンバーシップ型雇用の場合は、会社主体の研修や部署異動などが多くなるため、自身のキャリア設計も立てづらいですが、ジョブ型雇用では主体的にキャリアを構築し、切り拓いていくことが大切です。

・キャリア自律で個人がすべきこと

自身のキャリアに関心を持ち、理想の将来像に向けて必要な能力やキャリアは何かをしっかり考え、自主的に必要な知識の研鑽を継続していくことを心掛けましょう。

 

では、自律的なキャリアアップ設計のために、どのようなことを行えばよいでしょうか?

 

例えば、次のようなことを書き出してみましょう。

 

■短期的だけではなく、中長期的になりたい自分の姿を具体的に描く

■キャリア・経験・スキルから自分の強みと弱みを明確にし、分析する

■社会の動向を踏まえ、自分の市場価値を考える

■弱点を克服するために何をすべきか考える

  (経験を積める企業への転職、セミナー・講習会に参加するなど)

 

 

自分のスキルや経験を客観的に知ることで、「苦手分野でも将来のためにチャレンジしてみる」「自分の強みをさらに伸ばしてスペシャリストを目指す」など、将来の選択肢が広がるかもしれません。

 

【参考】一般社団法人 日本経済団体連合会:週刊 経団連タイムス「キャリア自律とキャリア支援について聞く」

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