「いたします」「致します」の違いは?ひらがなや漢字表記の判断基準
「いたします」「致します」の違いは?ひらがなや漢字表記の判断基準
2022/11/21
2022/11/18
漢字とひらがなで違う、「いたします/致します」の使い方
漢字とひらがなで違う、「いたします/致します」の使い方
メールをはじめ、文書などでよく使われる「いたします」と「致します」。ビジネス、プライベートでも頻繁に出てくる言葉です。日常的に使っている言葉ですが、文字にする場合に漢字とひらがな、どちらを使用するべきか迷った経験はありませんか?
実は、「いたします/致します」はどちらも読みは同じですが、使用する意図が違います。そこで今回は、ひらがな/漢字どちらを使用するべきかの判断基準など、例文とともに解説します。
「いたします」と「致します」の違いとそれぞれの意味
「いたします」と「致します」の違いとそれぞれの意味
「いたします」と「致します」、文書の送り先や字面の雰囲気で使い分けたりしていませんか?ひらがな/漢字どちらを使用すべきかは、自分がどのような意図をもって使用するかにより区別されます。
まず最初に、「いたします/致します」という言葉を紐解いてみましょう。
「いたします/致します」とは、「いたす/致す」に「ます」(丁寧語)が付いた言葉です。「いたす/致す」の意味は、「到達するようにする、至らせる」です。
「いたす/致す」を辞書で調べると、
<動詞として>
・届くようにする。至らせる
・そのことがもとで、ある結果、特によくない結果を引き起こす
・全力で事を行う、身をささげる
・「する」の謙譲語であり、丁寧語。また、「する」の尊大な言い方
<補助動詞として>
「する」の謙譲語であり、丁寧語。また、「する」の尊大な言い方
相手に対する敬意がさらに高くなった「する」の謙譲表現 [お(ご)+動詞の連用形(名詞)+いたします]
とあります。
「いたす/致す」には動詞として、また、補助動詞としての使い方があることがわかります。ということは、「いたす/致す」の丁寧な表現である「いたします/致します」にも動詞、補助動詞としての使い方があるわけです。
動詞とは、物事の動作や作業、状態などを表現する言葉です。
そして補助動詞とは、付属語的な用法を持つ言葉です。主に別の動詞とセットで使われることが多く、本来の動詞としての意味を離れ、他の動詞の補助的な役割を果たします。また、補助動詞は一般的にひらがなで表記されます。
<補助動詞の例>
窓を開けてみる(×見る)
鳥が飛んでいく(×行く)
皆に通知しておく(×置く)
徐々に寒くなってくる(×来る)
このように、動詞/補助動詞どちらで使用するかが、ひらがな/漢字どちらの表記がふさわしいか見極めるのに大きな意味をもちます。動詞として使用する場合は漢字の「致します」、補助動詞として使用する場合はひらがなの「いたします」、という判断につながるわけです。
何気なく使っていた「いたします」と「致します」の正確な表現
何気なく使っていた「いたします」と「致します」の正確な表現
動詞として本来の意味がある場合は「致します」、動詞それ自体の意味が失われ、補助動詞として使用する場合は「いたします」を使用することがわかりました。
次に、漢字とひらがなの使い分けの法則をもとに「致します」と「いたします」の例文をご紹介します。
■致します
1.動詞本来の意味のある例文
・なぜそこまでされるのか、思いを致すことができませんでした。
・お客様へお手紙を致してお礼を申し上げました。
・今回の一件は私の不徳の致すところです。
・来年までには、力を致して完成させたいと思います。
2.「する」の謙譲語として、へりくだった丁寧な表現、相手への敬意を払った例文
・そのお客様の応対は、私が致します。
・そのようには致しかねます。
・お部屋からさわやかな香りが致します。
・大変失礼を致しました。
■いたします
1.補助動詞として、動詞本来の意味をなくした例文
・何卒よろしくお願いいたします。
・お伺いする1時間前にご連絡いたします。
・品物をご用意してお待ちいたします。
・お集りいただき、感謝いたします。
・このたびはお手数をおかけいたしました。
このように動詞/補助動詞の例文を並べてみることで、ひらがな/漢字の使い分けがより分かりやすくなるのではないでしょうか。
「します」と「いたします」はどう違う?似た言葉との使い分け
「します」と「いたします」はどう違う?似た言葉との使い分け
ご紹介した「いたします」に似た言葉として、「します」があります。
「いたします」は「する」の謙譲語(丁寧語の意味もあり)であり、「します」は「する」の丁寧語です。丁寧語は誰に対しても使用できますが、謙譲語は自身がへりくだり相手を立て、敬意を表す敬語です。自身がへりくだる表現であることから、主語が自分にあたる場合に使用することが多く、「します」より「いたします」のほうが、より丁寧な表現であることがわかるのではないでしょうか。
お願いします < お願いいたします
ご連絡します < ご連絡いたします
ほかにも、「いたします/致します」のように、ひらがなと漢字で使い方が分かれる言葉があります。
例えば、「ください/下さい」や「いただく/頂く/戴く」です。
■「ください/下さい」
「いたします/致します」同様、動詞と補助動詞で使い方が分かれます。漢字表記である「下さい」は相手に何かを請求する意味の動詞「くれ」の尊敬語、「ください」は「いたします」と同じ補助動詞として使います。
■「いただく/頂く/戴く」
同じ読み方をする3つの言葉には、「自身より上のものを敬い迎える」「頭にのせる・かぶせる」という意味のほか、「もらう」「食べる、飲む」の謙譲語としての意味もあります。この言葉も動詞「頂く」「戴く」と、補助動詞「いただく」で使い分けます。
「頂く」と「戴く」は同じような意味あいで用いられますが、「戴く」は常用漢字外です。ただし、「戴く」には「恭しく上に捧げて持つ」という意味があり、「頂く」以上に敬意を強調するために使用することがあります。
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