ハロー効果とは?ビジネスシーンでのメリット・デメリットを具体例で解説
ハロー効果とは?ビジネスシーンでのメリット・デメリットを具体例で解説
2023/2/20
2023/2/20
ビジネスとは密接な関係のハロー効果
ビジネスとは密接な関係のハロー効果
特にマーケティング分野や人事評価でよく耳にする「ハロー効果」をご存じでしょうか。「ハロー効果」とは、社会心理学用語であり、「認知バイアス」のひとつです。先入観にとらわれて他人や物事を評価することを表現する、「色眼鏡で見る」という言葉に近い意味があります。
ここではハロー効果の説明とともに、ハロー効果と比較・混同されがちな「ピグマリオン効果」「ホーソン効果」との違い、さらにはビジネス上におけるハロー効果のメリットやデメリットについてご紹介します。
ハロー効果=目立つ特徴に全体の印象が引きずられ、判断が歪められること
ハロー効果=目立つ特徴に全体の印象が引きずられ、判断が歪められること
ハロー(halo)とは聖人の頭上などに描かれる「後光」のことを差し、「後光効果」ともいわれます。これはアメリカの社会心理学者、エドワード・L・ソーンダイクが1920年に発表した論文で初めて提唱されました。
ハロー効果には2つの相反する特徴があることが知られています。
具体的には、人間はある対象を評価する際、対象に優れた特徴があると、その印象に引きずられ対象全体を「優れている」とみなしてしまう傾向。
また、逆に劣った特徴がある場合は、すべてを「劣っている」とみなしてしまうことです。
前者は「ポジティブ・ハロー効果」、後者は「ネガティブ・ハロー効果」と呼ばれます。ハロー効果の具体的な例として、以下のようなものが挙げられます。
・Aさんは有名大学を卒業しており多言語に精通しているため、実際の能力を確認せずに「仕事ができる」「優れたビジネスパーソンである」と判断する。
・好印象の有名人が広告塔として採用された企業や商品のCMを見て、その企業や商品に対して好印象を持ってしまう。
ハロー効果のメリット/デメリットと、人事評価ミスを防ぐために注意すべき点
ハロー効果のメリット/デメリットと、人事評価ミスを防ぐために注意すべき点
ビジネスシーンや、企業や商品のマーケティング戦略において、ハロー効果はメリットにもデメリットにもなり得ます。また、ハロー効果は、前述したように「自己認識と実際のズレ」のため、人事評価の分野では、「評価エラーを起こす原因」といわれることもあります。
では、ビジネスシーンにおけるハロー効果のメリット/デメリットとは、どのようなものでしょうか。
■メリット
・他者よりも傑出している才能や実績が一つあれば、それをアピールすることで全体的な高評価に繋げることができる。
・学歴や取得資格、仕事実績などが、初対面のビジネスパートナーとの信頼関係構築に大きな武器となる。
・自社商品のCMに好感度の高いタレントを起用し、商品の認知度向上、および好印象の普及に繋げる。
■デメリット
・あるスキルを拡大解釈されることにより、実力とのギャップが発生してしまう。
・ありのままの自分を隠し、他者が求める自分を演じてしまう。
・過去の経歴や失敗により、過小評価をされてしまう。
このように、ハロー効果のメリットとデメリットは表裏一体です。そのため、自分がプレゼンや人事評価をする/される立場の違いにより、気を付けるべきことは変わってきます。ハロー効果のメリットを享受したい場合はどう振る舞えばいいのか、もしくは、相手を正しく評価するために突出した印象に引きずられて事実誤認しないよう、意識することが必要です。
例えば人事面接などを受ける側の場合、身だしなみや最初の挨拶、資料や提出書類を丁寧に作成することは、ポジティブ・ハロー効果を期待できます。その逆で、面接官の立場であれば、誰か一人の評価や一部の目立った特徴、第一印象に左右されないことが必要となります。自分と相手に共通点があるなども、好印象を抱くきっかけになりやすいので気を付けましょう。
また、人事評価のみならず、組織内配置転換でもハロー効果により、エラーが起こり得る可能性もあります。
ある社員に対して明るく前向きな印象を感じたので、営業担当に抜擢してみたものの、実際は一人で集中して行うデータ処理や検品のほうが得意であったため、ストレスを感じ、実力を発揮できない状況に陥ってしまう、などです。
ハロー効果による不公平な人事評価や配置ミスを防ぐためには、評価基準を細かく設定したり客観化・明確化すること、評価を属人化させないことなどが肝要です。ほかにも、直属の上司だけではなく、上司/同僚/後輩など、それぞれの立場から対象者を評価する「360度評価」や、人材採用の場面では必要な情報以外を非開示にする「ブラインド採用」などを取り入れる企業も増えてきています。
ハロー効果と似ている/混同されがちな概念
ハロー効果と似ている/混同されがちな概念
ハロー効果と混同されやすい用語として「ピグマリオン効果」があります。ピグマリオン効果とは「他者から期待を掛けられることで、より成長が促される」現象です。他に「ホーソン効果」というものもあります。こちらは、「周囲の注目を浴びることでその人の意思決定・行動が変わり、それが良い結果に繋がる」現象です。
ピグマリオン効果やホーソン効果は「周囲から期待をかけられた当人が成長する、変わる」という「対象の変化」にスポットをあてた現象である一方、ハロー効果は、ある人物や物事の当事者を評価する側の「自己認識と実際のズレ」になります。
さらに、「ホーン効果」という社会心理学用語もあります。ホーン(horn)は悪魔の角を意味しており、対象の人物や物事の悪い特徴に引きずられて、直接的な因果関係がないことに対しても否定的な評価をしてしまう、認知バイアスのことです。「ネガティブ・ハロー効果」と近しい現象といえるでしょう。
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