法人カードでポイントは貯まる?会計処理方法や利用例を解説

法人カードでポイントは貯まる?会計処理方法や利用例を解説

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2024/11/28

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法人カードでポイントは貯まる?会計処理方法や利用例を解説
法人カードでポイントは貯まる?会計処理方法や利用例を解説

個人事業主や中小企業が、ビジネスの支払いに利用するクレジットカード「法人カード(ビジネス・カード)」は、個人カードと同じように、利用金額に応じてポイントが貯まるのでしょうか?法人カードで貯まったポイントの使い方や会計処理方法について、解説します。

法人カード(ビジネス・カード)でもポイントは貯まる

 

法人カード(ビジネス・カード)でもポイントは貯まる

 
法人カード(ビジネス・カード)でもポイントは貯まる

個人カードと同様、一般的に法人カードでも支払いに応じてポイントが貯まり、さまざまな形で活用することができます。

 

アメリカン・エキスプレス(アメックス)が発行する個人事業主・中小企業の経営者向けのクレジットカードの呼称は「ビジネス・カード」。もちろん、利用金額に応じてポイントが貯まります。

 

ポイントの還元率はカード会社ごとに異なりますが、ポイントプログラムへの参加などにより、還元率が変化する場合もあります。たとえば、アメックスのポイントプログラム「メンバーシップ・リワード®」では、通常、100円の利用ごとに1ポイントを獲得することが可能です(年会費などの特定の利用に関しては、加算対象外、または200円の利用で1ポイントとなる場合もあります)。

 

また、法人カードは基本カードに加え、従業員用の追加カードも発行できます。追加カードでも利用金額に応じたポイントを獲得できますが、ポイントは基本カードに集約されることが一般的。多くの場合、法人カードの利用で獲得したポイントの管理・交換ができるのは、基本カード会員のみです。

 

▼法人カードについてはこちらの記事でも解説しています

法人カード(ビジネス・カード)とは?種類や作るメリットをわかりやすく解説

 

参考:アメリカン・エキスプレス「ポイントプログラムの仕組み

ポイントを利用した際の会計処理方法と注意点

 

ポイントを利用した際の会計処理方法と注意点

 
ポイントを利用した際の会計処理方法と注意点

法人カードのポイントは、会社の備品購入や支払いへの充当など、さまざまな形で活用することができますが、法人カードのポイントを利用した際は、会計処理にも注意が必要です。

 

ポイント利用の会計処理には、「値引き処理」「両建て処理」の2つがあります。

 

・値引き処理

ポイントを利用した分を、商品やサービスの「値引き」として扱う方法です。この場合、実際に現金やクレジットカードで支払った金額のみを経費として計上します。

 

帳簿上は実際の支出額のみが記録されるため、シンプルで分かりやすい処理方法と言えるでしょう。

 

・両建て処理

購入した商品やサービスの全額を経費として計上し、同時にポイント使用分を雑収入として計上します。

 

帳簿には実際の商品やサービスの金額がそのまま反映されるため、より詳細な会計情報を把握できる処理方法です。

【1,000円(税込1,100円)の商品の購入時、500ポイントを利用した場合】

  収支の考え方
支出 収入
値引き処理 600円
両建て処理 1,100円 500円

・全額をポイントで支払った場合

全額をポイントで支払った場合は、値引き処理をしているか両建て処理をしているかで、処理方法が異なります。

 

値引き処理を採用している場合、支出が発生していないため、帳簿に記載する必要はありません。コピー用紙や文具などの消耗品であれば問題ありませんが、もし長期間利用する備品を購入した場合、棚卸などのタイミングで帳簿と物品に齟齬が出てしまう可能性も考えられるため、注意が必要です。

 

両建て処理の場合は、支払いがゼロでも帳簿には購入商品が記載されます。そのため、帳簿と物品に齟齬が発生することはないでしょう。

【1,000円(税込1,100円)の商品の購入時、1,100ポイントを利用した場合】

  収支の考え方
支出 収入
値引き処理
両建て処理 1,100円 1,100円

※「値引き処理」については参考として記しているため、実際に帳簿には記載しない

【ポイントを利用する際の注意点】

ポイントの利用用途に関するルールについても、あらかじめ定めておく必要があります。

 

・会計処理方法は一貫させる

「値引き処理」「両建て処理」2つある会計処理方法も、どちらかに統一することが重要です。値引き処理と両建て処理が混在した場合、帳簿上で商品やサービスなどにかかる消費税の計算に齟齬が発生してしまう可能性があるからです。

 

適切な処理方法の選択や具体的な仕訳方法について不安がある場合は、税理士などの専門家に相談しましょう。

 

・ギフトカードなど金券の場合

ポイントをマイルや金券、商品券、ギフトカードなど、換金できるものに変更した場合は、まず、勘定科目を「前払金」「貯蔵品」として記載する必要があります。

 

加えて、ギフトカードなどを従業員に還元した場合は、該当従業員の「給与」とみなされるため、会計・税務上の処理が必要になります。

 

・ポイント利用のルールを徹底し、透明性を保持

事業に関する支出で獲得したポイントを、個別の従業員や役員の利益のために使用すると、ほかの従業員に不平等感を抱かせ、会社への不信感を招いてしまう可能性があります。

 

コンプライアンスの観点からも、法人カードの利用で獲得したポイント利用方法については、あらかじめルールを設けておき、公平さを保ちながら事業発展の一助として活用するのが理想的です。

法人カード(ビジネス・カード)のポイント利用例

 

法人カード(ビジネス・カード)のポイント利用例

 
法人カード(ビジネス・カード)のポイント利用例

法人カードで貯まったポイントは、事業の一助としてさまざまな形で活用することができます。交換できる商品や受けられるサービスなどはカード会社ごとに異なりますが、たとえばアメリカン・エキスプレスでは、以下のような活用方法があります。

 

1)支払い・年会費への充当

カードの利用代金に、ポイントを充当することが可能です。利用代金だけでなく、年会費に充当することも可能。上手に活用すれば、ビジネス・カードの維持コストを抑えつつ、充実した付帯サービスを享受することができます。

 

2) 商品やサービスとの交換

「メンバーシップ・リワードのカタログ」に掲載されている、さまざまな商品やサービスと交換できます。

 

たとえばオフィス用品のほか、パソコンやタブレット端末、家電などへの交換も可能。お菓子やお茶などの詰め合わせに換えて来客時に活用する、商品券やギフトカードに換えて、福利厚生の一環として社員に還元し、モチベーションアップにつなげるのも一案です。商品券やギフトカードなどを従業員に還元した場合は、前述したように、従業員の給与として処理することも忘れないようにしましょう。

 

参考:アメリカン・エキスプレス「メンバーシップ・リワード カタログサイト

 

3)提携会社のマイルやポイントへの移行

ANA(全日空)、JAL(日本航空)をはじめ、14の航空会社のマイルに移行することもできます。提携しているホテルのポイントプログラムにも移行できるため、出張費の節約にもつながるでしょう。

 

提携会社のマイルやポイントなどに移行する際、移行可能な上限が設けられている場合があります。加えて、手続きに一定の所要期間が必要な場合もあるため、必ず事前に確認しておきましょう。

 

マイルだけでなく、Marriott Bonvoy®やヒルトン・オナーズなど、提携ホテルで利用できるポイントや楽天ポイントに移行することも可能です。

 

参考:アメリカン・エキスプレス「ポイント移行 提携パートナー

アメックスの法人カード(ビジネス・カード)は、ポイントが貯めやすく使いやすい

 

アメックスの法人カード(ビジネス・カード)は、ポイントが貯めやすく使いやすい

 
アメックスの法人カード(ビジネス・カード)は、ポイントが貯めやすく使いやすい

アメックスのビジネス・カードは、ポイントが貯まりやすく使いやすいのも大きな特長です。

 

1)ポイントが貯まりやすい

アメックスのビジネス・カードでは、通常、利用金額100円ごとに1ポイント(年会費などの特定の利用に関しては、加算対象外、または200円の利用で1ポイントとなる場合もあります)が付与されます。

 

必ず支払う必要がある税金や事務所の公共料金などの支払いでも、ポイントが付与(200円につき1ポイント)され、幅広い支払いでポイントを獲得することができます。

 

2)ポイントの有効期限を無期限にできる

クレジットカードのポイントには有効期限が存在する場合もありますが、アメックスには、ポイントの有効期限を無期限にできる、2つの方法があります。

 

・1回以上ポイントの交換をする

・「メンバーシップ・リワード・プラス(年間参加費:税込3,300円)」に登録する

 

ポイントの期限を無期限にすることで、長期的な視点でポイントを貯めることができます。たとえば、大型の出費に備えてポイントを貯めておくなど、戦略的なポイント活用が可能になるでしょう。

 

3)「メンバーシップ・リワード・プラス」に登録し、お得にポイントを貯める・使う

「メンバーシップ・リワード・プラス」は、ポイントの有効期限が無期限になることに加え、さまざまなボーナスポイントの獲得、マイルなど提携会社への交換レートがアップするなど、効率的なポイント活用ができます。

 

たとえば、AmazonやJALなど、特定の対象加盟店・サービスでカードを利用すると、100円=3ポイント(通常ポイント1ポイント+ボーナスポイント2ポイント)を獲得できます。加えて、ANAのマイルに移行する場合、1,000ポイント=1,000マイル(未登録の場合は2,000ポイント=1,000マイル)と、よりお得にポイントを活用することができます。

 

 

▼アメックスのビジネス・カードについてはこちらの記事でも解説しています

【公式】アメックスの3種類のビジネス・カードの特長を解説

 

参考:アメリカン・エキスプレス「メンバーシップ・リワード・プラス

アメックスの法人カード(ビジネス・カード)の申し込み時に必要な書類

 

アメックスの法人カード(ビジネス・カード)の申し込み時に必要な書類

 
アメックスの法人カード(ビジネス・カード)の申し込み時に必要な書類

アメックスのビジネス・カードの申し込みは、公式ウェブサイト上からオンラインで行うことができます。

 

参考:アメリカン・エキスプレス「ビジネス・カード

 

個人事業主・法人で、申し込みに必要な書類が異なるため、それぞれ必要な書類を紹介します。

 

・個人事業主の場合

個人事業主がアメックスのビジネス・カードを申し込む際には、以下の書類が必要です。

 

  • 代表者の本人確認書類

 

本人確認書類として認められるのは、以下の書類です。コピーを提出します。

 

【本人確認書類一覧】

  • 運転免許証
  • 運転経歴証明書
  • 各種健康保険証
  • 住民票の写し
  • マイナンバーカード(個人番号カード)(表面のみ)
  • 在留カード
  • 特別永住者証明書

 

・法人の場合

法人がアメックスのビジネス・カードを申し込む際には、以下の書類が必要です。

 

  • 代表者の本人確認書類
  • 商業登記簿謄本・登記事項証明書のいずれか

 

法人であっても、代表者の本人確認書類のコピーの提出が必要になります。本人確認書類として認められるのは、前述した【本人確認書類一覧】と同じです。

 

加えて、商業登記簿謄本または登記事項証明書のいずれかを提出する必要があります。オンライン、または、住んでいる地域管轄の法務局で入手するようにしましょう。これらの書類は、法人の実在性を確認するために用いられます。

 

なお、個人事業主・法人ともに、申し込み後アメリカン・エキスプレスによる入会審査が行われます。

 

ビジネス・カードの申し込みから受け取りまでは、個人事業主で3週間程度、法人で5週間程度かかります。余裕を持って申し込みを行うようにしましょう。

アメックスのビジネス・カードが個人事業主におすすめの理由

 

アメックスのビジネス・カードが個人事業主におすすめの理由

 

個人事業主は、個人の支出とビジネスの支出を明確に分けることで、確定申告の負担を軽減することができます。そこで、ビジネスでの決済にはビジネス・カードの使用をおすすめします。

 

ビジネス・カードも、個人カードと同様、カードにより付帯する優待や特典が異なります。そのため、事業課題に合うビジネス・カードを選ぶことが大切。個人事業主におすすめのビジネス・カードとして、アメリカン・エキスプレスが発行する3種類のカードを紹介します。

"アメリカン・エキスプレス®・
ビジネス・プラチナ・カード"

アメリカン・エキスプレス®・
ビジネス・ プラチナ・カード

万が一のサイバー攻撃や情報漏えいなどのリスクに備えることができる「ビジネス・サイバー・プロテクション」や、秘書のように出張や会食の手続きを電話1本で対応してもらえる「プラチナ・セクレタリー・サービス」、カード継続時に得られるラグジュアリーな国内ホテルで利用できる1泊2名分の無料宿泊特典「フリー・ステイ・ギフト」など、多角的なサポートがアメリカン・エキスプレス・ビジネス・プラチナ・カードの魅力です。

 アメリカン・エキスプレス®・
ビジネス・ゴールド・カード

アメリカン・エキスプレス®・
ビジネス・ ゴールド・カード

経費削減に一役買う特典が充実しているアメリカン・エキスプレス・ビジネス・ゴールド・カード。例えば、デル・テクノロジーズでのパソコンや周辺機器の購入でキャッシュバックが得られる特典をはじめ、キャッシュレス決済導入に役立つ「Square(スクエア)」の決済手数料/月額使用料の優遇など、ビジネスの飛躍を力強くサポートするサービスが備わっています。

 "アメリカン・エキスプレス®・
ビジネス・グリーン・カード"

アメリカン・エキスプレス®・
ビジネス・グリーン・カード

会計ソフトへのAPIデータ連携や利用料の優遇、車での移動に欠かせないETCカードの無料発行など、本業に集中するための基本機能が揃っているアメリカン・エキスプレス・ビジネス・グリーン・カード。ビジネス・カード会員限定のマッチングサービス「ビジネス・マッチング」にも登録可能。定期的に開催されるマッチングイベントは、新規取引先やパートナーの発掘、自社PRにも活用できます。

この機会に、豊富な特典が備わったアメリカン・エキスプレスのビジネス・カードにお申し込みください。

【この記事の監修者】

【この記事の監修者】

相澤 英之
相澤 英之

相澤 英之

NTS総合税理士法人
代表社員
税理士

宮城県仙台市出身。大学卒業後、小売業、出版業、会計事務所勤務を経て、2013年税理士登録。2014年よりNTS総合税理士法人に勤務し、2022年5月より同代表社員となる。

 

●NTS総合税理士法人