ベンチマークは「評価基準」や「指標」という意味を持つコトバです。

本来は測量の分野で高低差や建築物の高さを測る際の基準点を示す用語でしたが、そこから転じて、「比較／評価する際の基準」という意味で使われるようになりました。今では、広く多分野で登場するコトバになっていますが、詳細な意味は分野ごとに少しずつ違っています。たとえば、以下のような意味です。

・経営／マーケティング

経営上の戦略を改善するための指標、目標とすべき他社の戦略など

・IT分野

スマートフォンやパソコンのハードウエアやソフトウエアの動作速度や性能評価を行う時の基準

・投資分野

市場平均を示す指標

ビジネスシーンにおける「ベンチマーク」は、「経営上の戦略を改善するための指標」として使われることが一般的です。単純に比較するだけでなく、自社の状態を客観的に分析し、改善点を見つけるための糸口として用いるのです。

たとえば、自社の経営戦略の適否を分析する際に、同業他社の優良な戦略（ベストプラクティス）を比較対象として選定し、ベンチマークとします。自社とベンチマークにした企業を客観的に比較することで、至らない点に対する改善ポイント、有効な施策などを洗い出すことができます。また、ベンチマークを用いることで、業界内での自社の立ち位置を客観的に把握できるというメリットもあります。

ただし、ベンチマークはあくまでも指標のひとつに過ぎません。ベンチマークに設定した企業に囚われすぎず、市場の変化を見極めながら、自社の強みを生かした差別化という視点を忘れないことも大切です。