冬の風物詩といわれるワカサギ釣り。冬がシーズンのイメージですが、場所によっては一年中楽しむこともできます。ワカサギは比較的容易に釣ることができ、釣り道具もレンタルすることが可能なため、手軽なレジャーとしても人気です。テレビなどで見たことはあるけれど、実際に挑戦したことがある人はあまり多くないのではないでしょうか？

ワカサギ釣りは、釣り方も岸辺から、あるいはボートや屋形船を使って、そして氷上に穴を開けてと、時期や場所によってさまざま。初心者でも楽しめるワカサギ釣りスポットとあわせて、釣った後の調理方法もご紹介します。 

釣りの中でも比較的簡単に、気軽に楽しめるのがワカサギ釣りの魅力。冬休みだけでなく、週末を使って家族や友人、カップルで手軽に楽しめるのが人気の秘密ではないでしょうか。

寒冷地では2～３年ほど生き抜く魚もいますが、ワカサギは１年をサイクルとする年魚です。海水、淡水に限らず、さまざまな水質にも対応できることから放流が進み、全国に生息範囲を広げています。
ワカサギは冬から春にかけて産卵期を迎えます。そのため、一番成熟した状態になる秋から冬がワカサギ釣りのベストシーズンになります。

ワカサギ釣りの道具は他の釣り同様、釣り竿や糸、仕掛け、重り、エサが必需品です。ただし、その大半は専用道具を使用するため、釣り具はレンタルがおすすめです。

一般的な釣り竿は2～4ｍくらいですが、ワカサギ釣りに必要な竿は「穂先」と呼ばれ、長さは20～30cm。小さな魚ですので、アタリを感じるには最適の長さといえるでしょう。この竿に0.2～0.3号くらいの通常より細い釣り糸を長めにとりつけます。ワンタッチで糸を巻き上げられる電動リールがあれば、そこに巻きつけます。使用する糸は、周囲と同化しないようにカラフルなものが使われることが多く、その糸に小さな針を5～7本、最下部に重りのついた「胴付き仕掛け」と呼ばれる仕掛けを用います。

エサは、「サシ」と呼ばれる虫エサ。最近では人工エサなども出回っていますので、虫が苦手な方は釣り具レンタルをしてくれるところに相談するか、自身で購入するのもよいかもしれません。

釣りを楽しんだら、次は美味しくいただきましょう。代表的な料理は、天ぷらや唐揚げではないでしょうか。

釣り場によってはその場で天ぷらにしてくれるサービスもありますが、 自宅で調理する場合は、釣った後にひと手間加えることでワカサギを美味しくいただくことができます。
釣った直後は釣り場の水をバケツに入れ、しばらくその中で泳がせます。そこで胃などの内容物を排出させてから、密閉可能な食品保存袋などに入れてクーラーボックスに納めておくとよいとされています。調理する際は塩でワカサギのぬめりを取ります。また、気になる人はワカサギの肛門からフンを押し出し、内臓も取ってしまうとよいでしょう。こうして下処理したワカサギは天ぷらにしても唐揚げにしてもおいしくいただけます。

ほかに塩焼きや南蛮漬け、甘露煮、山椒煮などもおすすめです。骨は柔らかく、身もふわふわで、淡泊な味わいですので、シンプルな調理で十分。頭から丸ごと食べると、ワカサギ本来の味わいを楽しめます。

ワカサギは全国各地の湖沼に分布しており、地域ごとに釣り場の環境は違います。そのため、釣りの方法は大きく「氷上釣り」と「ドーム船釣り」、他の魚釣り同様に行う「ボート釣り」と「岸釣り」の4つに分かれますが、今回はワカサギ釣り独自の方法である「氷上釣り」と「ドーム船釣り」をご紹介します。

ワカサギ釣りの代名詞となっているのが、結氷した湖の上で行う「氷上釣り」。厚く張った湖の氷にアイスドリルで穴をあけ、糸を垂らして釣り上げる、「穴釣り」とも呼ばれる方法です。美しい冬の景色が楽しめるのも氷上釣りの魅力です。

氷上釣りでは、アイスドリルや氷すくい、テントやイスなどが必要になりますが、釣り道具とともにレンタルが可能な湖が多いです。防寒着や防寒靴、防寒用の帽子、カイロといった自身で身につけるものは、各自用意しなければなりません。また、バケツやワカサギを入れるための保存袋、クーラーボックスなども準備しておくとよいでしょう。

氷上釣りと違い、「ドーム船釣り」はシーズンを通して長く楽しめる釣りの方法です。ボート釣りや岸釣りもシーズンを通してできますが、ドーム船釣りは屋根の付いた船で行うので、雨や雪を気にする必要はありません。さらに、船内から釣り糸を垂らすことが可能なため、寒さの心配をする必要もなく、じっくり釣りを楽しめるのも魅力です。
ただし、室内での釣りだからといって薄着は禁物です。ドーム船は湖上に停泊しています。最低限の防寒対策はしておきましょう。

初心者でも釣果を上げるため、ワカサギ釣りの釣り方に共通したポイントがありますので、ここでご紹介します。

１　ワカサギは湖の底のほうでじっとしているので、湖底近くに糸を垂らしましょう。
２　釣り用語で「誘い」といわれる技を使います。エサがさも生きているように、小刻みに動かしては止めを繰り返し、ワカサギを誘います。
３　魚がエサに食いついた瞬間の手ごたえを「アタリ」といい、しっかり食いついた瞬間に竿を立て魚を針にかけることを「アワセ」といいます。竿から目を離さず、引き上げましょう。焦らずアタリとアワセの感覚をつかむことが大切です。

全国の「氷上釣り」「ドーム船（屋形船）釣り」の人気スポットを紹介します。人気の釣り場は予約が必要で、また楽しめる期間が変わる場合もあります。お出かけの際は、各地観光協会や漁業協同組合に問い合わせて、あらかじめ確認しておきましょう。

※情報は2022年８月のものです。
※ワカサギ釣りの解禁日は変更になる場合がありますので、お出かけの際は各地域の漁業協同組合、観光協会、船店にお問合せください。

ワカサギ釣りは道具レンタルなどが充実していて、初心者でも楽しめる魅力的なレジャーです。釣りの方法も釣り場によってさまざま。自ら釣ったワカサギを調理して味わうことができるなど、五感で楽しめるアクティビティのひとつです。

秋から冬がワカサギ釣りのシーズン本番！ ぜひ今年の冬のレジャーとして検討してみてはいかがでしょうか？ 寒さ対策を万全にして大自然に繰り出し、早速挑戦してみましょう。