クレジットカードには、さまざまな保険やサービスが付帯されていることをご存じでしょうか？旅行中のけがや病気について補償する旅行保険をはじめ、購入した品物の破損や盗難を補償してくれる保険など、多くの保険が用意されています。

そこで、アメリカン・エキスプレス保険事業部の小澤純子さんにクレジットカードの付帯保険の基礎から、アメリカン・エキスプレス独自の保険について教えてもらいました。

最初に、クレジットカードの付帯保険の基本について解説します。

「付帯保険」とは、クレジットカードの会員が利用できる保険です。付帯保険は、クレジットカード会社が保険会社と提携し、カード会員に対するサービスとして提供しています。そのため、クレジットカードに加入していれば、自分で保険料を負担しなくても一定の補償が受けられるという仕組みです。一般的なクレジットカードに付帯している保険は「旅行傷害保険」「盗難・紛失保険」「ショッピング保険」などです。

クレジットカードの付帯保険には、「自動付帯保険」と「利用付帯保険」の2種類があります。

・自動付帯保険

クレジットカードに加入しているだけで、自動的に適用される保険です。補償を受けるためにクレジットカードを利用したかどうかは関係しません。

たとえば国内／海外を含め旅行時のけがや病気に対する保険が付帯されていれば、もし旅先で病院にかかった場合に補償を受けることができます。

・利用付帯保険

クレジットカードを利用し、クレジットカード会社が指定する条件を満たした場合にのみ利用できる保険です。

利用付帯で思いつくのは国内／海外旅行での旅行傷害保険ではないでしょうか。たとえば、利用付帯の旅行傷害保険には、「旅行会社のツアー代金」や「旅行のために利用した公共交通機関の代金」などの支払いをクレジットカード決済した場合のみ補償対象となる、ショッピング保険では商品破損などの場合は対象となるクレジットカードで対象期間内に購入しているなどの条件が設定されていることがあります。

ただし同じ会社が発行するクレジットカードでも、カードの種類によっては保険の付帯がなかったり、補償内容が異なることがあります。そのため、まずは自分が所持しているクレジットカードにどのような保険があるのか、確認してみましょう。

一般的にクレジットカードの付帯保険では、万一のトラブルの際に、以下のような補償を受けることができます。

・会員補償

クレジットカードの紛失や盗難に遭ったときに困るのがカードの不正利用です。もしクレジットカードを不正利用されてしまった場合、クレジットカードの紛失や盗難の届け出をした日から60日前までさかのぼって、不正利用に対する補償を受けることができます。

・ショッピング保険（動産総合保険）

クレジットカードで購入した品物が、偶然の事故（破損・盗難・火災など）によって損害を受けた場合に、その損害が補償されます。購入後90日以内など、補償を受けられる期間は限られていますが、保険付帯のクレジットカードで購入したことが証明できれば、第三者に贈った品物でも補償の対象となります。ただし、株券などの有価証券や電子マネーや二次元コード決済へのチャージなど、補償対象外になる商品もありますので、規約を確認しましょう。

・海外／国内旅行傷害保険

旅行傷害保険は、偶発的な旅行中のけがや病気の治療に対して補償を受けられる保険です。海外旅行傷害保険と国内旅行傷害保険があり、それぞれ補償内容が異なります。

海外旅行傷害保険は旅行中のけがや病気だけでなく、盗難被害も補償範囲とされる保険（携行品損害）などもあります。一方、国内旅行傷害保険は補償内容が傷害に限られ、疾病治療や賠償責任、携行品損害などは補償されないケースもあります。

海外旅行保険について詳しくはこちら

違う会社のクレジットカードを2枚以上所持している方も多いでしょう。その場合、保険金の支払いはどうなるのでしょうか？海外旅行保険を例に、小澤さんに教えてもらいました。

「まず大前提として、複数社のクレジットカードをお持ちの場合は、保険会社も複数になります。たとえば海外旅行保険の場合、傷害死亡・後遺障害保険金の場合は、複数のクレジットカードのうち最も高い金額を限度として、それぞれの保険から按分して保険金が支払われます。そのため、申請はどの保険会社に行われても問題ありません」

では、携行品損害の場合についてはどうでしょうか。

「携行品損害などの場合、複数のクレジットカードの保険金額を合算した範囲内かつ1点あたり10万円が限度となり、それぞれの保険から按分して保険金が支払われます。証明書のご提出のほか、申請時にお持ちのクレジットカードをすべてお知らせいただくというルールもあります。そのため保険の申請をされた後、代表して1社から保険金が支払われ、該当する保険会社間で分担額の調整を行っています」

海外旅行保険の場合は、複数のクレジットカードを所持している場合、各クレジットカード会社にそれぞれ申請することも可能ではありますが、申請の手間やその後の調査への対応が煩雑になってしまいます。まずメインとなる1社を決めて、状況と所持しているクレジットカードの種類などを申請するのがおすすめとのことです。

アメリカン・エキスプレスのクレジットカードには、さらなる補償サービスが用意されています。小澤さんに、アメリカン・エキスプレスならではの3つの補償サービスを紹介していただきました。

クレジットカードには、「こんなことも補償してくれるの？」と意外に思うものも補償されているケースがあります。クレジットカードで購入したからこそ利用できる付帯保険などを賢く活用するために、改めてカード会社の付帯保険の適用条件などを、しっかり確認してみましょう。