ウニの種類による味や旬の違いは?食のプロが感動したウニの名店も紹介
ウニの種類による味や旬の違いは?食のプロが感動したウニの名店も紹介
2023/11/21
2023/11/21
食のプロフェッショナル、ポケットコンシェルジュのお寿司担当者にウニの魅力を聞く
食のプロフェッショナル、ポケットコンシェルジュのお寿司担当者にウニの魅力を聞く
食に厳しいスタッフが集結し、厳選されたレストランのみを紹介する、アメリカン・エキスプレスが提供するサービス「ポケットコンシェルジュ」。長年積み重ねた経験をもとに、食のプロフェッショナルの視点から、食にまつわる知識やこだわりの一軒をご紹介します。
今回は、高級寿司ネタの代表格であり、まったりとした美味しさが魅力のウニ。ポケットコンシェルジュの「お寿司担当」として数ある名店を巡ってきた大岩純也さんに、意外と知られていない天然ウニの旬の時期や種類、自身の感動体験や厳選された名店などを教えてもらいました。
ポケットコンシェルジュ/大岩純也さん
ポケットコンシェルジュ/大岩純也さん
アメリカン・エキスプレスの「ポケットコンシェルジュ」でセールスを担当し、日々全国の一流レストランと関わる。20歳の頃にお寿司の魅力に魅せられ、訪れたお寿司屋さんは200店舗超。ライフワークは、馴染みのお寿司屋さん巡りと新店の発掘。
ポケットコンシェルジュ/大岩純也さん
ポケットコンシェルジュ/大岩純也さん
アメリカン・エキスプレスの「ポケットコンシェルジュ」でセールスを担当し、日々全国の一流レストランと関わる。20歳の頃にお寿司の魅力に魅せられ、訪れたお寿司屋さんは200店舗超。ライフワークは、馴染みのお寿司屋さん巡りと新店の発掘。
ウニのベストシーズンと種類
ウニのベストシーズンと種類
寿司を食べる際は毎回ウニを頼む、という方も多いと思いますが、実は種類や産地によって味わいや旬の時期が異なります。大岩さんによると、旬や産地を押さえておくことで、ウニを食す楽しみが数倍にも膨らむとのことです。
・そもそもウニの旬はいつ?
多くの魚と同様、ウニも養殖技術が進化することで一年中美味しく食べられる環境が整いつつあります。そのため「ウニの旬はいつ?」「産地は北海道だけ?」と漠然と思っている人も少なくないのではないでしょうか。
「ウニの旬は、一般的には初夏から夏にかけて。厳密には産地によって異なります」と大岩さん。また、ウニの旬を知るには、ウニの生態に目を向けると理解しやすいと言います。
「私たちが食べているウニの身と言われる部分は、ウニの生殖巣です。液体で満たされた球状の硬い殻の中には消化管と生殖巣があり、ひとつのウニのなかには5つの生殖巣が入っていますが、産卵期前になるとこの生殖巣に栄養が回ってくるんですね。つまり、産卵期直前の、最も生殖巣に栄養が回っている状態にある時期が、ウニの最も美味しい時期になるわけです」
ウニの旬が夏と言われるのは、秋に産卵期を迎えるウニが多いため。とはいえ、すべてのウニに当てはまるわけではありません。ウニの種類と生息地域の海水温や海の環境によって産卵期が少しずつ異なり、それに伴い、エリアごとに旬の時期も変わるそうです。
「例えばキタムラサキウニの場合、北海道の日本海側(利尻・小樽・積丹など)や東北の三陸地方であればおおむね6〜8月頃が旬の時期ですが、青森では4〜6月、また、九州地方(長崎県平戸・熊本県天草など)では、ムラサキウニが3〜5月頃に旬を迎えます」
具体的な旬の時期を知るには、産地ごとにウニ漁がいつ解禁になるのか、解禁期間を調べるのが堅実な方法です。逆に、繁殖期には禁漁期間が設けられているので、ウニをお目当てに旅の計画を立てる際には事前に情報収集をしておきましょう。
・豊かな個性。食べ比べを楽しむ5種類のウニ
ウニを知る2つ目のポイントとして挙げられるのが、ウニの種類と産地です。日本近海ではどのようなウニが獲れるのでしょう?
「ウニは世界中で800種以上、日本近海でも150種以上の生息が確認されています。その中で食用として流通しているのが、先に挙げたキタムラサキウニやムラサキウニをはじめとする5種類になります」と大岩さん。それぞれの特徴を教えてもらいました。
・ムラサキウニ
青森県よりも南の日本海側や、茨城県よりも南の太平洋側など広範囲で獲れます。
「黒っぽく、長い棘を持つフォルムで、太陽にかざすと濃い紫色であることからこの名前がついています。身の色は黄色。全体的に濃厚でコクがありますが、生息地が広範囲に及び、食べている餌や育つ環境が異なることから、産地によって味が違うのが一番の特徴です。
お店によって仕入れる産地もさまざまで、食べ比べを楽しめるのは寿司通にとっての醍醐味。この間食べたムラサキウニとこのムラサキウニでは、全然味が違う、そんな既成概念を覆すような感動を味わえるのもこのウニの魅力です」
・キタムラサキウニ
主な産地は北海道や東北地方。山口県より北の日本海側と、相模湾より北の太平洋側でも獲ることができます。
「形状はムラサキウニと似ているものの、サイズが2倍近く(直径約10㎝)もあり、葉っぱのような形をした身が大きいのが特徴。ムラサキウニよりもさらに薄い黄色で、別名『白ウニ』とも呼ばれます。ほんのりとした甘さがあり、淡白でとても上品な味わいです。
身が大きく崩れにくいため、寿司ダネとしても重宝されています。どちらかというとウニはとろけるようなイメージがあると思いますが、キタムラサキウニに関しては、食感がしっかりと感じられ、食べ応えがある。ボリューム感を楽しめるウニの代表格ですね」
・バフンウニ
基本的に北海道を除く、東北地方から九州までの日本海沿岸に多く生息しています。
「名前の通り、馬糞に似ていることからこの名前が付いたと言われています。直径4㎝ほどとかなり小ぶりですが、その分、味が凝縮されているのが特徴です。また、豊洲の浅井水産さんに伺った話によると、他のウニに比べて鮮度の持ちが良いという特長もあるそうです。
ムラサキウニが淡白で食べやすいという表現を用いるなら、バフンウニは味も香りも濃厚。その独特の風味から、一度食べるとファンになる人も少なくありません」
・エゾバフンウニ
北海道や東北など冷涼な沿岸に生息するウニです。
「エゾとは、北海道の古称『蝦夷』のこと。まさに北海道を代表するウニの種類です。サイズはバフンウニより少し大きく直径6㎝ほどで、身の部分は綺麗なオレンジ色をしています。バフンウニと同じような味わいですが、より甘味が強く濃厚です。
ウニの中でも珍しい品種で、磯焼け対策としてのウニの駆除をしないことになっているなど、高価な水産有用種として扱われているのも特徴の一つです」
・アカウニ
東京湾以南〜九州地方に生息。なかでも長崎県や佐賀県が主な産地です。
「その名の通り赤褐色をしており、サイズは5〜7㎝とウニの中では大ぶりなほうです。アカウニは獲れる時期が決められており、基本的に九州地方の唐津で5~7月、天草で7〜9月末にかけて獲られますが、地元で消費されてしまい、首都圏までなかなか流通しないことから『幻のウニ』とも呼ばれています。非常に商品価値が高く、希少性があるのがこのアカウニです。
味については、ムラサキウニとバフンウニのいいとこ取りをしたかのような味わい。甘みも香りもコクも群を抜いていて甘く、濃く、なおかつ食べやすい。これまで数知れずウニを食べてきましたが、正直、アカウニが一番美味しいと感じています」
ひと言で「ウニ」と言っても、種類により、さまざまな味わい、魅力があります。
「お店では、今日提供されているウニの種類や産地を教えてもらえると思うので、ぜひ自分の好みのウニを探してみてください」
ミョウバンとウニの関係とは?
ミョウバンとウニの関係とは?
次に、ミョウバンとウニについても教えてもらいました。
そもそもウニは空気に触れると溶けやすいという性質があり、身崩れを防ぐためにミョウバンが使われます。そして、このミョウバンを使うことで「ウニに苦味が出る」という話をよく耳にします。しかし、大岩さんは「実際には加工の仕方次第。ミョウバンを使っているから味が落ちるというわけではありません」と話します。
「浅井水産さんによると、ウニの味を左右する要因は、ウニが育つ海水温や餌によるところが7~8割を占めていて、最後にミョウバンの濃度や量をどれだけバランスよく調整して加工するかによって、そのウニの持ち味が決まるということです。
私たちが食べているのはウニの生殖巣だとお話ししましたが、実はウニそのものにも苦味はあります。というのは、旬の時期を過ぎたころから徐々に生殖細胞が増えていき、生殖巣から卵子や精子が流出する『身溶け』という現象が起こり、これが苦味になるんですね。また、ウニは鮮度が落ちるにつれて臭みも出てきます。味が落ちる原因はミョウバンではない、大前提としてそこはきちんと押さえておきたいポイントです」
実際に、生産者が絶妙なバランスで加工したウニは見た目も味もよく、豊洲市場はもちろん日本中のお寿司屋さんや高級料理店から厚い信頼を得ているそうです。
・生産者の魂が宿る美しい「箱ウニ」
少し深掘りすると、「ウニには最高級として名高い『まるひろの生うに』『羽立水産の生うに』『東沢水産の生うに』『大千の生うに』と呼ばれる4大ブランドがある」という大岩さん。これらはいわゆる特級の「箱ウニ」と呼ばれるものの最上級、「スペシャル」と呼ばれているそう。実はこれらにも、加工時にはミョウバンが使われています。
「お寿司屋さんでは、食べる前にその箱ウニの綺麗さを目で味わうというのも一つの面白さです。4大ブランドのウニは、ふっくらとした粒ぞろいの身が寸分違わず横一列に並ぶ姿が圧巻のひとこと。ウニの下処理はすべて手作業で繊細さが要求されます。上質なウニの後ろ側には、誠心誠意ウニと向き合う漁師さん、生産者さんがいるということです」
ウニを熟知したプロフェッショナルが感動したウニ体験
ウニを熟知したプロフェッショナルが感動したウニ体験
ウニの真実に近づいたところで、やはり気になるのが、ウニを熟知した大岩さんの体験談。数ある出会いの中から、とりわけ印象に残っているお店や料理を教えてもらいました。
【西麻布 鮨いち】ウニ2種が奏でる至高のマリアージュ
「西麻布の『鮨いち』さんの、一品物で出てくる『ウニのワンスプーン』が絶品です。シャリに全国各地から厳選した2種のウニを絶妙なバランスで混ぜ合わせ、一口大に丸めてスプーンにのせ、さらにその上からウニの身を乗せる。ウニ2種はムラサキウニとバフンウニが主流ですが、何を組み合わせるかはその日の仕入れ次第。一期一会のマリアージュを堪能できます」
【DATA】
西麻布 鮨いち
住所:東京都港区西麻布1-10-14 アビターレ霞町1階
営業時間:17:00~22:00(L.O. 20:00)、ランチ(土曜、日曜のみ)12:00~14:00(L.O. 12:30)
休み:水曜、第2・4火曜
【鮨つきうだ】素材の味が渾然一体となって迫る手巻き
「絶品手巻き寿司を提供してくれるのが、中目黒の『鮨つきうだ』さん。豪快にウニを混ぜ込んだウニご飯を海苔で巻いたら超一級のトロをトッピング。手巻きというカジュアルなスタイルにほっと心が和んだのも束の間、唸るような感動が押し寄せてきます。トッピングは仕入れ状況によりほかの魚に変更になる場合があります」
【鮨 竜介】日ごと「日本一のウニ」を仕入れる銀座の名店
「先ほどウニにもブランドがあるというお話をしましたが、その日豊洲でトップクラスのウニを競り落とすことで有名なのが、銀座の『鮨 竜介』さんです。白木の一枚板のカウンターはわずか7席。その特別な空間に身を委ね、長年銀座の名店で修行を積んだ大将が握る、凛とした寿司を堪能する。ウニの素晴らしさ、大将の心意気にも心を打たれます」
【DATA】
鮨 竜介
住所:東京都中央区銀座7-3-13 銀座第四金井ビル地下1階
営業時間:17:30~23:00(L.O. 21:30)
休み:日曜、連休中の祝日
【鮨 尚充】究極のエンタメ空間「うにバーサルスタジオ」
「私の中の堂々ナンバーワンは、うにバーサルスタジオジャパンの異名を持つ『鮨 尚充(たかみつ)』さんです。『お客様の笑顔のために』を信条に粒揃いの箱ウニを常に数種類取り揃え、コース終盤にそれらすべてをカウンターに積み上げるなど、ド派手な演出でお客様を楽しませる一方、仕事は丁寧で繊細、接客は紳士的。ネタケースはルイ・ヴィトン、職人さんの鉢巻はエルメスのツイリー、おちょこはシュプリーム……。そんな前代未聞の演出もインパクトがあり、トータルで五感が刺激されます。仕入れにもよりますが、ウニの食べ比べも叶いますよ」
【DATA】
鮨 尚充
住所:東京都目黒区青葉台1-28-2 EXA1階
営業時間:18:00~24:00
休み:日曜(月曜が祝日の場合月曜休)
ポケットコンシェルジュとは
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話題のレストランから知られざる名店まで、800を超えた本当に信頼できるレストランだけをご紹介する「ポケットコンシェルジュ」。特別な日のディナーや会食など、さまざまなシーンに最適な1軒が見つかります。
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